2019.7. 2.Tue

辻本健輝展   http://monyaart.jugem.jp/?eid=3833

■紋谷 幹男(もんや みきお)プレヴューより

展覧会タイトルは、ーこの雨のようにー。

モチーフは若い女性。
さっさっと絵筆を走らせ、
若い女性の姿を通して、
その女性の内面を予感させながら、
その場の空気感を表現しています。

ジャズでスタンダードの旋律を追いながらアドリブするように、
女性像の再現という旋律を追いながら、
この場だけの特別な空気感をアドリブのように、
展開させています。

真摯に技術を磨き、
仕事を積み重ねることで、
新鮮な絵心は、味わい深い作品として昇華する。
そんな印象でした。

2019.5.28.Tue

パソコン

やっと新しいパソコンを買い、 wi-fiを入れた。
あまりにバージョンが古いので、いろいろなデータが来て、不具合として受け取りに困る事態になっていた。
重い腰を上げて、ホームページも一新しようと考えている。

2018.12.15.Sat

紋谷 幹男(もんや みきお)さんから

会場風景。
展覧会タイトルは、ー環る景色(めぐるけしき)ー。

いかにもな、山水画風の大作です。
色は使われず(僅かに黄色だけが認められます)、
山水画アイテム(山岳、樹木、岩石、河川)の組み合わせで
架空の風景を成していますが、
肝心の全体像には、
伝統的な山水画に潜む、神仙や霊獣の予感や、
しっとりとした心象風景が見出せません。


表現における言語として山水画を取り込んだものの、
精神性に「深入り」せずに、
不思議な雲の渦巻や、
スケールアウトした石ころなどを、
さりげなく取り込むことで、
抽象表現の一形態としてドライに割り切っているようです。

結果、山水画に似た風景だが、
キリコにおけるアーチの並ぶ古典的な建築と同様、
人気のない、時の流れの止まる、
非日常的な世界を出現させている。
そんな印象でした。

2018.11.13.Tue

向こう側

戸田礼子さんの最新作は、「有刺あした」である。
夕焼けの向こう側には理想郷があり、有刺をくぐりぬけて、あちら側の世界に飛び立つ鳥を描いた作品から、暗黒と未来への希望を示唆したものらしい。

アートスペース羅針盤も1998年に有限会社を立ち上げたので、約20年の歳月を経て、今がある。
現状は、厳しいが未来への希望と夢を与える仕事をしているという自負をもちたい。

2018.11. 2.Fri

山嵜雷蔵展 レヴュー

展覧会タイトルは、ーEATHBOUND ー。

ベックリン、フリードリヒあたりの、
ロマン主義の画家の作品が思い浮かびます。

一見、再現的に描かれた風景ですが、
作家の内面を見つめ、想像力を開放しています。
結果、訪れることができないが、
どこかにあるに違いない、という、
ぞくっとした予感を誘います。

重量感あるマチエール、刻まれた痕跡などが、
作者の情念と置き換わるように、
力を生み出しています。
劇的な構成による緊張感に満ちた画面のなかに、
叙情的な調べが渡ります。

形態や色、装飾的要素が錯綜する混乱の先に、
独自の絵画的豊かさが漂う。
そんな印象でした。

山嵜雷蔵展   http://monyaart.jugem.jp/?eid=3466

■紋谷 幹男(もんや みきお)

2018.5.29.Tue

佐久間香子展   http://monyaart.jugem.jp/?eid=3226


■紋谷 幹男(もんや みきお)さんの美術鑑賞BLOG「画廊巡りノート」から

画面一面に野に咲く花が描かれていますが、
作品名が示す通り、
作品はモチーフの再現や説明が目的ではなく、
花の姿で何かを抽象、象徴させているようです。

花や葉以外の背景(状況)は表現されず、
色は強い原色は避け、淡い色が使われ、
奥行きや、気候、時間や光や影などの基本的なことも
具体的に説明されず、
ただひたすらに、花を描き込んでいます。
リアルに描かれた抽象表現です。

静かに奏でられたピアニッシモのような弱い音を重ねながら、
強い旋律(存在感)を生み出しています。

2017.11.16.Thu

飯田文香展のレヴュー

紋谷幹男が画廊巡りの印象を綴っていきます。

人物や背景が緻密に描き込まれた日本画ですが、
実際の状況を再現したのではなく、
画家の独特な感性によって再構築され、
画面上だけの世界が生まれています。

大画面上のめくめく多様な出来事を、
一つ一つ追ってゆく、
贅沢な鑑賞体験ができます。

写実的な実際の事物の関係の中に、
装飾的な文様が大胆に挿入され、
日常の風景は、妖しい非日常性を帯び始め、
空間の幻想性が意識されます。

主体や背景といったヒエラルキーは意図的に無視され、
構成要素全ては等価に扱われ、
結果、美しく、理解が可能な混沌という
刺激的な事態が起こります。

特定の事物そのものではなく、
私たちが日常と呼んでいるこの世界に共に在るであろう
深淵を知らしめてくれる。
そんな印象でした。

2017.11.14.Tue

金城徹展 鉄錆の魅力

21.JPG

金城さんは沖縄からのメッセージを鉄錆に託して、その痕跡を作品にしています。
素敵な作品です。

2017.10.21.Sat

伊藤清子展

アートスペース羅針盤(中央区京橋3-5)では、伊藤清子展。

徹底して猫を描いていますが、
〜と猫や、〜をする猫、猫のいる〜ではなく、
単色の背景に、
猫の顔をそのものをモチーフにしています。
ファインアートとしては珍しい視点です。

猫の顔は比較的フラットで、
それを真正面から捉えていますから、
大きな目が重要なポイントになります。

謎めいた中にも、
「猫も自己主張する」的な、
説得力のあるイメージが作り出されています。
人間関係ではあり得ない、
他者との無条件な共鳴は、
他者への無条件な共鳴への期待は、
浄化された、おとぎの世界のようだ。
そんな印象でした。

2017.10.13.Fri

初心に帰る

羅針盤が1999年の3月にオープンし、3月12日に父の兄にあたる隆善伯父さまからお便りをいただき、時々読み返して初心に帰っています。
伯父さまは既に他界していますが、小学校の先生でした。

各地から春の息吹の便りがテレビの画面にいろどりを添えてくれています。
そこへ、すばらしい便りが飛び込んできました。
それは、「アートスペース羅針盤」の開廊の案内状です。
わが姪で美の世界にかかわる人が出ようとは全く夢みたいな話です。
古代から世界中の人類の先祖たちは、「真」「善」「美」を追求してきました。
私の父は僧侶でしたから、善の世界を歩んできました。一族に名前だけ善をいただいている者が何人もいます。
真理の追究は学問の世界です。
古代エジプトのピラミッドの中に足跡がたくさん残されています。
ルネッサンスに見られる美の世界への人々のあこがれと多くの遺産は心の糧として如何に美を求めたかを示していますね。
このごろ週刊アートギャラリーが発刊されています。7号まで出ましたので、その度に書店に出向いて求めています。「巨匠達の作風に迫る」と6号のピカソのところに出ています。
美術史はよく知りませんでしたから、少し勉強してみようと思ったからです。
もし、近かったら現代の画家の作品を見に行きたいところです。人々の暮らしの中に潤いと安らぎを与えるものに美術の世界は大きな働きがあります。リストラと高物価の中であくせくしている現代人の心の中に必要なアートのニーズは今後益々大きくなるでしょう。
西洋でも中国でも日本でも権力の世界はわずかしか残ってはいませんが心の奥に深く入り込む宗教や藝術の世界は後世に残っています。
将来性のある仕事を選んだこゆちゃんのけい眼に敬服します。
古人のことばに「天の時」「地の利」「人の和」とあります。
前の二つはうまくできているので残された「人の和」を大きく育ててあせらず、じっくり取り組んでください。
信用が第一歩です。目先の利に走らず、客の立場に立ったサービスと誠実さで経営していけばきっと成長すると思います。育てたものを社会に還元するよう画廊から更に進んで美術館目指してがんばって下さい。


 


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