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2009.9.21.Mon

並んでるお客

今日は日曜日。
たまの休日くらい、時間を気にせず寝たい。
商売繁盛をよそおう羅針盤は、日曜日には、ギャラリーの前に並ぶお客がいたりする。
しかし、いつも長い行列を作っているのは、イデミ・スギノのケーキ屋さんの前である。
本日も羅針盤の前にはたったの2人。
イデミ・スギノの前には大勢ならんでいるのだが、売り上げの単価では決して負けていない。
だろ?と二人の客は、私を励ました。
スギノさんは、フランスはリヨンのパチシエの大会にて、蒔絵にあるような金粉をデコレートしたチョコケーキで見事一位になった。
スギノさんは、『僕はカリスマパチシエですぞ』と、ご自慢のケーキをもって、ご挨拶にいらしたが、フランスでは、ギャラリー街にケーキ屋が在るのが、通常らしい。
で、ここ、日本を代表する有名画廊街と認定された京橋にケーキ屋をオープンさせたのだ。
明日からオープンするのは、小田恵里子展。
小田恵里子さんのファンのコレクターさんだからこそ、昨夜、どんなに二日酔いであろうとも、羅針盤の前にお並びいただけるのである。
有難いことであります。
さて、お買い上げいただいたので、ほっとする間もなく、次の展覧会場にもお連れした。
場所は、小平の駅前の眼科に隣接する白矢アートスペースである。
9/23までの3日間、現代音楽とのコラボレーションをテーマに3夜連続のライブペイントを同時開催する予定。
今日は、フランス人イケメン君を4人も連れて来た女性作家、大田和亜咲宜さんにも逢えて楽しいオープニングだった。
我々は、オープン前の午後2時についてしまい、お客さんをお送りした後、時間があったので、インド料理屋でひよこ豆とチキンのサラダをつまみにビールを飲んだ。
辛いがおいしい。
正直、現代音楽は苦手なので、早々に家に帰ることにした。
私は、お芝居も好きではないし、現代音楽もあまり好きではない。
じっとして聞いていなくてはならない講演会なども、苦手だ。
絵画は、時間に縛り付けられることもないし、自分のペースで見れるので、とてもリラックスしていられる場だと思う。
息のつまる世の中で、感性を磨くだけで、充分に精神を満足させてくれる美術作品の鑑賞は、私のような気ままな人間にはぴったりである。

2009.9.23.Wed

すっかり、ブログから遠ざかっていた。
今月は、親戚のおばさまと母が来て、しばらく滞在していた。
とある日曜日には、佐藤美術館から版画と日本画のオープニングがあるので、ぜひ、来て欲しいとの嬉しいお知らせがあったが、母が銀ブラをした後、私もひまなんでついてくーとのたまうので、お母様は、ぜひとも、家にいてくださいと懇願したが、無理であった。
多摩美術大学の教授群と学生の中に、おばあちゃんがいる。
ギャラリストが母を連れて、オープニングにくるなんてあり得ない。
片隅に座ってじっとしている母にほっとしたのも束の間、母は中央に出て、オープニングに出された寿司なんかをつまみ、リラックスモード。
大好きな人間観察が始まり、興味津々。いつの間にか、若い男の子と楽しそうに団欒。
「この頃痩せたねえ?何か悩みでもあるの?」と話しかけられるやいな、うちの母が『太ってるって悩んでて、、うふふ、、』と輪の中に入って、私のかわりに答えてる。
疲れるはずのレセプションに興奮し、自分も中心にいるかのような母の好奇心にはたじろいだ日であった。

2009.9.23.Wed

オイスターバー

小田恵理子展の今回の見所は、掛け軸だ。
龍の入れ墨を身体中にいれた子供が左右対称に槍で突き合う姿を描いた掛け軸の作品が7つもある。
昔は大地に根の張った神代櫻を見上げるように描き、圧倒的な生命力をテーマにしていた。
しかし、数年前から、ある事をきっかけにして、生命力の象徴として、子供の絵を描き出した。
大正昭和のノスタルジーに浸ることなく、いつの時代も変わることのない子供の嘘、偽りのない姿をストレートに描く。
子供の喧嘩をじっと見つめる小田の目には、通低音として、子供への深い愛情があり、さらに大人を
戒めるかのような、あるいは励ますかのような爽快感がある。
うちの甥っこ(今は高校生)が5歳にして、吠える犬から「俺が守っとる」と威勢良く、こゆおばちゃんを守った時、『男はこうして男になるのだ』と誇らしく思ったものだ。
さて、夕方になり、集まった数人とタスマニア産の牡蠣を食べに行った。
3丁目にあるGOSSというタスマニア産のシーフードとワインのお店でコースを食べるというので、カロリーを気にして大反対したが、結局、シャンパンとワインの赤と白に牡蠣2個、薄切りのホタテ、豚のローストという軽めのコースを注文。
さらにチーズとくるみパンなどを追加で頼み、たらふく食べてしまった。
GOSSの店長が素敵なのと牡蠣が200円という安さに惹かれて、通いつめたが、あまり人には教えたくない大好きなお店である。

2009.9.26.Sat

闘争心

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中学2年生の頃、スケ番の集団いじめを見た事を思い出した。
小田さんの描くように、髪を引っ張ったりしていたが、だんだん、エスカレートし、服を脱がし、裸のまんま、引きずり回すのだ。
放課後になると、儀式のように続くので、大変怖かった。
幸い、被害に遭わずに無事、高校に入学。
その後は、いじめという理不尽な経験はしなくてもすむような環境になった。
何時の時代もいじめはなくならないとは思うのだが、小田さんの描くような英雄きどりの男の子はこの頃少なくなっているような気がする。
木刀や刀をもって、正義をもって闘う男子の遊びは、失われていくのではないか?
闘争心は、人間の本能である。
草食系とかいわれている男たるもの、もう一度、野生の本能を呼び覚まさない限り、日本の国家も存続が危うい。

 


   

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