« 2009年03月 | | 2009年05月 »

2009.4. 3.Fri

アートフェア東京

今日は朝からあまりに身体がだるいので、風邪気味かなと思い薬を飲んで寝ていた。
私は冬眠するクマみたいに寝たら、何日でも眠り続けるたちだ。
お腹もすかず、起きたら、翌年になっていたこともあった。
正月を越して眠っていたのである。
そういうことなので、夕方までにはとうてい眠りから醒めない気がしたが、7時から名古屋のIDFのオーナーさんとアートフェア東京に行こうと誘われたので、なんとか起きだして、お出掛けした。
今年はとても楽しく作品のレベルも高くなっているような気がしたし、作品も好調に売り上げている感じがしたが、いかがなものか。
見終わって、一階のバーの窓からこっちこっちと手を振るコレクターがいる。
お店に入ろうとしたら、VIPカードをもっているかと聞かれる。もっていないと入れないようだったので、ガード下の韓国料理屋に入り、ちじみと韓国のり巻きとクッパとサラダを注文。
そのあと、ガード下のワンコインバーでビールを飲む。
すでに夜中をまわってしまったが、風邪の方は治ってしまったようだ。
しかし、昔なじみのギャラリストとは旧知の仲でたいへん気心が知れてしまっているので、ざっくばらんな会話はなんと人生を味わい深く、楽しいものにしてくれることか?
(書くまでもないが、IDFのオーナーは私よりかなり年下のかわいい女性オーナーである。こちらのギャラリーのホームページは大変充実してるのでぜひとも、のぞいてみてください。金魚で有名な深堀隆介の個展などやっています。  http://homepage2.nifty.com/idf/)


2009.4. 8.Wed

来年の展覧会予定

2010年の展覧会はほぼ以下の週を残して予約が入っています。
2011年の予定も入り始めました。
もし、羅針盤で個展やグループ展を開催したいと思っている方はお早めにご相談ください。

2010年 空き状況

2月22日(月)〜 2月27日(土)
4月5日(月)〜 4月10日(土)
6月21日(月)〜 6月26日(土)
8月30日(月)〜 9月4日(土)
9月6日(月)〜 9月11日(土)


2009.4.10.Fri

ねじれ

人間関係というものは大変難しい。
「一度ねじったモノをもう一度ねじると、元の位置に戻ってくるだろうか。おそらくは戻って来ない。」
これは、今回の四宮義俊のコンセプトについて明記してあった文章からの抜粋だが、このことは人間関係においても多くのことを示唆してくれるだろう。
一度ねじれた人と人のつながりをもう一度再生しようとしても元の関係に戻れるだろうか?
一度、離婚した相手ともう一度楽しい結婚生活が送れるだろうか?
おそらくは、難しいであろう。
画商を営みとしている私の事でもあるが、作家さんとの関係も、一度ねじれると修復は不可能であることが多い。
金銭がらみとなると、ますます難しい。
作品の素晴らしさは認めても、作家個人の人間性に疑問をもち始めると、つきあいはたいへん困難だ。
だいたい、お互いにこの相手とは馬が合わないということをお互いが感じ合っているから、なんとなく疎遠になる。
意外なようだが、私は桜島のように爆発するたちだ。
なかなか、穏やかな精神状態を保つことは難しい。

2009.4.13.Mon

39℃

先週の木曜日あたりから、風邪気味のような気がしていたが、いよいよ本格的に様態が悪くなった。金曜日の夕方から高熱を発し、40度近い高熱だ。
ここ四、五年はこんな高熱になったことはないので、体温計が壊れてるのかと思ったが、ただ事ではない苦しさなので、インフルエンザにかかったのかなと疑った。
高熱の中、このまま死ぬのかなあなどとつぶやいていると、『どうしたの?』と電話をかけてくれる人がいるので、このときはさすがにお願いがあると頼み込んで画廊の搬入と搬出をお願いした。
高熱のためだろう。火だるまになって死ぬ夢を見た。
今日は早速、病院に行った。
インフルエンザでもなく、単なる風邪と分かり、更にすっかり良くなっていたので、ほっとした。
やはり、健康管理が一番と思い知った。
栄養を取って、早く寝よう。

2009.4.14.Tue

陸ガメのカシオペア

今、展示中のヤワラカイワタシノというグループ展に笹川香織さんという若い女性作家さんがいる。ホームページがあるので、のぞいてみたら、ペアペアと云う名前の亀を飼っているらしく、主に亀の写真ばかりで、亀にヨーグルトを食べさせたりする。写真は、ヨーグルトだらけの亀の鼻で、それでも「鼻の穴がくっきり2個ある」とか、「ペアペアは顔のすぐ上に蝶々のイラストの模様があるのが特徴」などと観察眼は鋭い。
しかし、今どきのペットの亀も何やら他のペットのように甘く愛されているようだ。
昔、川で釣りをしていると、足の上で昼寝していた亀がいる。あまりにかわいいので、家に持ち帰り、水槽で飼っていたが、ヨーグルトをあげたことはなかった。
川でカニも釣れたので、持ち帰り、同じ水槽で飼っていたが、ある時、亀が甲羅のみで浮いている。
よーく見ると、亀の頭はカニの爪に刺さっていたのであった。もちろん、亀の足はそれぞれがカニにくわれたあとであった。
小さな水槽でもおそろしい生存競争が繰り広げられていた。


2009.4.15.Wed

ヤワラカイワタシノ

昔からなじみのが画材屋さんが嘆いていた。
まったくといっていいほど、額が売れないのだそうだ。
今、何でもネットで手に入る。
ネットオークションも盛んだ。
とても安い中国産のフレームが安価で手に入るし、仕上がりもきれいで、ほんとにびっくりするほど安い。
注文を取る額縁制作屋さんは、ますます競争に勝てず、材料を仕入れることもままならないと聞く。
絵描きさんは,絵を描くことには精魂込めるが,最後の仕上げの段階のフレーム選びにはずいぶんと手抜きのような気がする。
ファッションセンスを磨くように、フレーム研究でもして、自分の絵にあったフレームを見つけ出して、ピタと決めて見せてくれませんか?
そういう努力もしてもらいたいものである。
絵をいじくり回すより、グレードアップするかもしれない。
しかし,評論家やコレクターたちというものは、ゼロから創作をする芸術家に対して、ああしたら、こうしたら、と蘊蓄をし、純粋でうら若き「ヤワラカイワタシノ」感性にぐさっとくるような助言を致すようではあるが、ひやかしや自己満足のための語りは、困る。
羅針盤にはそういうたぐいのお客様は少ないと思うが、一番の賞賛は購入し、手元において見続けてあげることですと、私はいいたい。


2009.4.18.Sat

風の音

今日は久しぶりのオープニングだった。
野見山先生や山本貞先生などそうそうたる作家さんが大勢いらして賑わった。
二紀の女性6名の実力派ぞろいのグループ展、風の音だ。
いつもなら調子にのって飲むところだが、控えておいた。
また風邪がぶり返したり、体調を崩すと困るからだ。
今週は,モダンアートのオープニングもあり、懐かしい地方に住む作家さんと会う約束もしているが、
夜はお出かけは控えたい。
もう少し暖かくなったら、スポーツ倶楽部に入ろうと思っている。

2009.4.21.Tue

献上

以下のようなメールが来た。

「さっきはビールごちそうになりありがとうございました!!
めちゃめちゃ楽しかったです!
今 帰り道、お腹が減り 先程頂いた食パンを2枚頂きましたが
ハッキリ言って食パンとは別モノと思う程旨いですこれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最高ですっ!
どうしてもそれだけ伝えたくてメールしてしまいました。
ご馳走さまです!

とあるが、この食パンは羅針盤の近くのホテル西洋銀座の有名な食パンで、一日限定数のある高級食パンなのである。

そこで、すぐメールした。

だろ!!!!!!!!!!!
高級なパンはうまい。
当たり前かって。
およそ、画廊のオーナーの言葉とは思えないリアクションでした。
では、またいい絵かくんだよーーーーー。
其れしか期待してないから。
がんばれ。
酔っぱらってます。
すいません。

絵描きさんは、美を探求する人種なので、美食家が多く、案外、舌も肥えている。
本当に一級品といわれるものの価値が分かる人なのである。
だから、若い作家さんにも敬意を表して、美味しいものを献上しているのである。
もし、本当に美味しいものをもっと美味しく味わいたいなら、絵描きさんにも極上品をごちそうしてみよう。
ものすごく喜んで味わってくれるに違いない。


2009.4.22.Wed

才能

弟の娘を画廊の跡継ぎにしようと思って教育中だ。
早速、成績の結果を報告させた。
まだ、中学二年だが、教育で大事なのはここのところだ。
おばちゃんは朝の復習を勧める。
人並みにぼんやりと寝ていてはいけない。
人より早めに起きて,復習をせよと言い聞かせた。
自分はとても精力的な子供だった。
毎朝,早く起きて、昨日の夜,覚えたことをもう一度復習していた。
中学二年で油絵を知り,誰にも教わることなく,油絵を描いた。
誰にも教わることなくシュークリームを作った。
誰にも教わることなく,小鳥の繁殖のコツを覚えた。
その頃、荒れ果てた校内暴力の中、クラスの問題児の対応に困った先生の相談にのっていた。
生徒である私がである。
いじめもせず,いじめられもせず、なんだか違う時空で存在していたみたいだ。
大人になり、耳の聞こえない学校で先生をすることに。
職員室で、ワルの生徒をどう指導するかについて会議していたが、だれもそのワルの良いところについては語らない。
そのワルは、書道が上手でずば抜けて感覚の良い生徒だったので、こっそりコンクールに出しといたら、その会議のあと、読売新聞社賞を受賞。うれしかったね。
先生達に「彼はワルではないよ、だたまだ自分の良いところを発見出来ないから、ふてくされてるだけだよ。今に彼のすごさに気がつきますよ」と分からない先生方に教えといた。
才能は埋もれている。
誰かの手で発掘しなければ、本人自身が気がつかない。

2009.4.23.Thu

習慣

以下のようなメールをもらい照れています。どうも。。。。。

私は毎朝 パソコンの電源を入れメールチェック後、羅針盤のコンパス通信を見る習慣です。
今回の「才能」を今朝読んであまりにも感激したので思わずメールしました。
ワルと言われた生徒、他の先生は彼の悪い点しか見ていない、しかし岡崎さんは良い点を見つけひそかに応援してあげ、結果彼が賞をとれた所。
周りの方のような一方的な見かたでなく、岡崎さんは平等で広い見かたで人に接し応援しておられると思い、朝から目の奥が熱くなりました。
教育とは、そうでなくてはならないし、その優しい大きな視点でギャラリーに立っておられる事がとても嬉しく思いました。
その様なギャラリストに出会えた私は幸せだと思いました。

2009.4.23.Thu

感性の道場

昨日、登校拒否児の学校の理事の中島清さんが、バリトンのオペラ歌手とご一緒にいらした。
中島さんは,大変立派な方で、昨年に脳梗塞で倒れられたが、不屈の精神で、回復。
回復までの壮絶なリハビリ闘病記を綴っていた。
今も、やや麻痺を抱えながら、リハビリといって、画廊まで訪れるのである。
「感性の道場、アートスペース羅針盤に行ってみよう」とブログにまで紹介していただいている。
ご一緒にいらしたオペラ歌手さんは、『この絵はみな何かの宗教観のようなもので統一されてる感じがするが、どうなんでしょうか?』と、作家さんらに聞いていた。
イタリア歌曲がご専門らしいが、本日はその場で、日本の歌曲を歌っていただいた。
画廊が振動し,地響きがするほどの太く大きな声で素晴らしい喉を披露。
身体が大きな楽器に見えた。
一階のオーナーの山口さんが「何事ですか?」と上がって来られたが、プロの歌声は鳴り止まない。

2009.4.25.Sat

亡霊

以前のことだが、東京駅で後ろから「あなたの顔にあまりにもはっきり誰か他の方の顔が写っているので」という若い女性が云う。
名古屋までの新幹線に乗るので、時間がない。
後ろからついてくるので、大きな声で『印鑑の勧誘?いりませんよ。』とはねつけた。
しかし、女性は、『今日,誰かの命日ではないですか?』としつこい。
はたと気がついた。
その日は,祖母の命日であった。
その日、地方都市のセブンイレブンで、竹取物語ではないが、かぐや姫のいた竹のようにぼーっと光るものを発見。
それは、文庫本の背表紙だった。
ジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』と云う本だ。
地方都市のホテルで一気に読んだ。
素晴らしい本だった。
そして、どうしても他人とは思えない気がしたので,生年月日を見ると自分と同じではないか?
そして、弟とも同じで、弟のちょうど100年前の人だった。
「原因をもたずに発生する物事は何ひとつありません。発生することのすべてが、そうなるための正当な理由をもっています』とアレンは、人生の永遠の課題をシンプルに解き明かしている。
今年は十何年ぶりかでお墓参りをしたが、そのご褒美か?

2009.4.26.Sun

上野明美さんの描く人物は不思議な魅力がある。プリミティブでありながら、どこか仏画のような静けさで、人を包み込む。
3年くらい前まで、一世を風靡した現代美術画廊、汲美、という画廊があった。
そこの画廊主は、イソラさんと言って、一橋大学を出、エリート社員だったはずだが、現代画廊の州之内徹に憧れ,潔く脱サラ。
お酒を酌み交わしながら,絵の話をする、サロン的なギャラリーで多くの作家を世に送り出した。
イソラさん自らも島達として、絵筆をもち、死の直前まで、自叙伝的映画を制作して上映するなど精力的に生きた人だった。
ある冬の日、汲美で絵を購入。
接待のような感じで、南千住に連れていかれた。
多くの労働者がたらふく食べられるほどの安さの不思議な店だった。
二階にはカウンターバーがあり、中国人女性がたくさん並んでいた。
私は以前、大学近くの
小金井で下宿を探そうとしたが、「中国人留学生お断り」と断らわれた経験から、中国人マフィアに間違われないかと内心びくびくしていた。
そこに毎日、デッサンをしにきている作家で、リアルな顔を描く作家が上野さんの絵を見に来てくださった。


2009.4.26.Sun

来年の展覧会をしたい方,お早めに予約を!

もし、羅針盤で個展やグループ展を開催したいと思っている方はお早めにご相談ください。
あと、以下の4週しか空いてません。

2010年 空き状況

2月22日(月)〜 2月27日(土)
4月5日(月)〜 4月10日(土)
8月30日(月)〜 9月4日(土)
9月6日(月)〜 9月11日(土)

2009.4.28.Tue

有難い

朝一番にいらっしゃるお客様は、有難いことに副住職さまである。
先月は、花祭りを開催し,自ら演出まで成し遂げ、来年は、ケーブルテレビにもその様子を放映したいと意欲満々なのである。
花祭りは、檀家に集まるご高齢の方の健康をおもんぱかってのことで、両手には、桜の花の枝をもたせて、華やかな踊りで,振り付けも,歌もすべてはオリジナルというからすごい。
参加費は500円である。
この住職様は、とても良い声でいらっしゃるので、話の内容よりも、耳に心地よく,気分が良くなるので、何となくお引き止め致したくなるのである。
さて、副住職様のお父様がお書きになった御本『生活の中の仏教語』が大変面白く,ためになるので紹介しよう。
たとえば、

有難い-ありがたい
何がそんなに有難いのかと言えば、実は「人間としてこの世に生れ出たことが有難い」ということなのである。

ゴキブリに生まれて来なかったことを、感謝すべきだとは云わないが、仏教の教えによれば、人間に生まれてくる確率は、気の遠くなるほど少ないのである。大海に浮かぶ穴のあいた木片に、盲目の亀が百年に一度浮上して、偶然その穴に首を突っ込むほどの、少ない確率と教えているからである。

総じて,現代人は感謝する心がなくなってしまった。『お陰』も「ご恩」もすべて捨ててしまった。有限の人生にあって,無限の欲を追い求めても、そこには『苦』が残るだけだというのに。

 


   

  〒104-0031 東京都 中央区 京橋 3-5-3 京栄ビル2F
TEL&FAX 03-3538-0160

E-mail info@rashin.net