なぜか今年は妙に水面にまつわる表現、実と虚の移ろいを見据えた発想が多い。
野崎慎のどこかタルコフスキー的な描写はその典型--「水面に現れた一瞬の景色を絵にしたもの」だが、
実と虚の交錯に奇妙な不在感がある。
以上の文章は、佐藤美術館で開かれたprint making × japanese paintingのテクストからの抜粋だ。
多摩美術大学教授の本江邦夫先生がこのように解説しているとおり、野崎慎の絵画の表現は秀逸で、見応えがある。
「実と虚の交錯に奇妙な不在感」とあるように、時代を映す若い作家の感性が冴える。