寒いですね。
s氏のレビューを読みました。
以下です。
余談…
またひとつ歴史のある貸し画廊が閉店しました。ギャラリー山口の
閉店は、貸し画廊というシステムの衰退を象徴する出来事といえる
かも知れません。80年代に全盛を極めた貸し画廊ですが、やはり
経済のグローバル化が進む中でのコマーシャルギャラリーの隆盛
の陰に、その存在感をいちだんと薄めていったことは否めません。
それでも個性的な貸し画廊がわずかでも存続しているのが、この国
のアートフィールドの裾野を広くしているといえます。リピーターの
高齢化によるマンネリから如何に脱却し、より若手作家を惹きつけ
られるかが、貸し画廊が生き残るための課題です。
個性的な貸し画廊。。。。。
羅針盤のことにちがいないとひとりごちる。
「この国のアートフィールドの裾野を広くしている」という言葉にとても勇気づけられ、さらにはっきりとした方向性を見いだす思いだ。
そう、日本のアートフィールドの裾野を広くするために羅針盤は、あるのだと。
今日、芸術院会員になられた土屋禮一先生がお見えになり、大変興味深いことをお話しくださった。
ドナルド キーンが日本という国はすばらしいと。
なぜかというと個がないからだと。
個を越えて日本国という調和のある国民だからだと。
我々日本人は周りの人たちによって救われもし、追いつめられもする。
イギリスに留学した夏目漱石は、「こころ」という小説によって、自我をもたない故に苦しみ、自殺した友人の死を自分のせいだと内省した。
自己を越えて、他者の悩みを自分のことのように思う国民だと思う。
さらに、絵画は、音楽的なところと文学的なところの両方をもつが故に難しいのだと説明し、さらにいいたくないことを描いてもいいし、描きたいことを描くのでもいいしとその両義性にも注目すべきともおっしゃる。
作家というものの本質に迫るお話をうかがい,感激ひとしおであった。
「より若手作家を惹きつけられるかが、貸し画廊が生き残るための課題」とあるが、より本質的な問いを持ち続けられるかが、ギャラリーを経営する上で、大事なことではなかろうか?