中風 明世 展

2019.8.19.Mon.〜8.24.Sat.

11:00〜19:00

※最終日17:00まで





中風明世

1960 岐阜市生まれ
1982 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

主な個展

1988 第1回中風明世展[ギャラリーコンセプト・岐阜]
1994 第3回中風明世展[ギャラリークロッキー・岐阜]
2000 第4回中風明世展[画廊光芳堂,ギャラリーなうふ・岐阜]
2005-2014 第6回-第21回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2005 第7回中風明世展[北ビワコホテルグラツィエ・滋賀県長浜]
2009 第11回中風明世展[ギャラリーパスワールド・岐阜]
2009 第12回中風明世展『イナテックギャラリー・愛知県幡豆郡』
2011 第16回中風明世展[極小美術館・岐阜池田]
2013・2016 第18回、第22回中風明世展[ギャラリーあさひ・愛知県尾張旭市]
2014 第20回中風明世展[ギャラリーいまじん・岐阜]
2016 第23回中風明世展[岐阜市歴史博物館分館 加藤栄三・東一記念美術館]
2018 第24回中風明世展[極小美術館・岐阜池田]
2018 第25回中風明世展[ギャルリhu:名古屋市東区]

海外

2018 釜山国際アートフェア・Akiyo Nakakaze 個展ブース招待出品

主なグループ展

1996−現在 モダンアート展[東京都美術館]
1997 モダンアート展・新人賞受賞 モダンアート明日への展望・俊英作家賞受賞[横浜市民ギャラリー]
2001 モダンアート展・奨励賞受賞[東京都美術館]
2002 モダンアート展・会友佳作賞受賞[東京都美術館]
2002 文化庁主催・第36回現代美術選抜展[北海道釧路芸術館]
2003 モダンアート展・会友佳作賞受賞、会員推挙[東京都美術館]以後同展での発表を続ける
2010 ベスパ・プリマベーラと作家たち[極小美術館]
2012 象の檻展[極小美術館・岐阜池田]
2015 篠田守男 中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2016 宇宙の連環として[極小美術館・岐阜池田](美術館企画)
2018 第二回篠田守男 中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]


コレクション

岐阜市立女子短期大学、リゾラ・ディ・エム、アンティークジュエリー・クレセンテ、ひぐちクリ
ニック、三河湾リゾートリンクス、アートスペース羅針盤、極小美術館 操レディースクリニック



「抽象―その向こうにあるもの−」
中風明世氏の抽象作品、それはシンプルな色や形による造形を特徴とするミニマル・アートのように見えます。しかし、実際にはそれと同一視すべきものではないと思っています。
近年の制作を特徴づける青や赤の色面と、それを穿つように配された銀灰色の亀裂、それらは決して無機的なものではありません。青や赤の色面は、絵具の濃淡の塗り重ねが複雑なニュアンスを生み出しています。時には絵具の垂らし込みによって、変化し流動するような動きの要素さえ、そこに加えられています。また、銀灰色の亀裂もただ単純に鋭くシャープなものではなく、細部はどこか逡巡するような不明瞭な形状を呈しています。一見するとシンプルなようでいて、実のところは曖昧さと複雑さを併せもっている、そこにこそこの作者独自の造形があります。
中風氏は高校生の頃から、とらえどころのない不安や恐怖という、自身の存在そのものをおびやかすものと向き合ってきたとのことです。そしてゴッホやユトリロ、ボナールなどの画集に掲載された作品をながめることが癒しとなり、救いとなったと語り、それに続けて、「はじめは不安や恐怖から来る喪失感から逃れるために、美術に関わるつもりでしたが、実は各時代を代表する名作は、人間が知能を持ってしまったために知覚する存在への不安、恐怖に、『死』に対する時代時代のアンサーであるか、不安、恐怖、死そのものを作品として顕現させ、存在の手触りを確認させる、と気が付きました。」と語っています。
中風氏が表現する世界は、絵画というものへの信頼と、それに支えられた意味深い内省の表れなのです。もちろんそれは大袈裟で声高に語られるものではなく、シンプルでシャープな世界の背後から、控えめにそっと顔をのぞかせているだけです。



 


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