篠田 守男 しのだ もりお
物体の緊張関係を独自の造形思考の中で追求している知性派彫刻家の一人。筑波大学名誉教授。1931(昭和6)年3月13日東京都目黒区生まれ。54年、青山学院大学英文科中退。67年まで国立産業工芸試験所に籍を置く。彫刻の空間構成を試行し、モダンアート展に出品。その間63〜64年シカゴ美術学校に学ぶ。63年彫刻の新世代展出品以後、日本国際美術展、宇部市の現代彫刻展などに精力的に作品発表。66年ベネチア・ビエンナーレ展、カンサス市鋳造彫刻国際会議に参加、同年第9回高村光太郎賞受賞。「テンションとコンプレッション」シリーズは、精緻な技術で素材を駆使し、新しい人工的空間を表現、現代都市の不安な相貌をとらえている。スケールの大きな作家として海外で注目され、ヒューストン美術学校、カリフォルニア州立大学などで教鞭をとる。72年南天子画廊で回顧展。65年第1回現代日本彫刻展神奈川県立美術館賞、75年第2回彫刻の森美術館大賞、91年朝倉文夫賞を受賞。自伝「快楽宣言」がある。
[モニュメント]
● 東急田園都市線・たまプラーザ駅前
「TC-346 COSMOS」1966年制作
● IBM飯倉ビル
「TC-4706」1978年制作
● 西新宿・東京都庁 第2庁舎1Fメイン・フロア正面壁
「TC-5802 空中庭園」巾12✕奥行1.5✕高さ3.6M 1989〜91年制作
[コレクション]
ルイジアナ美術館、ヒューストン ナチュラル ガス ビルディング、ヒューストン ファインアーツ美術館、ダラス ニーマンマーカス・デパート、NYニューハウス、フレデリック・ワイズマン、NY・ロックフェラー3世婦人、アムフレッド・シュメラー、ウィリアム・リーバーマン(メトロポリタン美術館)
東京国立近代美術館、神奈川県立近代美術館、東京都美術館、広島市現代美術館、栃木県立美術館、高松市美術館、軽井沢高輪美術館、彫刻の森美術館
地球の解放
長年地球の解放を思考していたものが1979年筑波大学に教授として赴任したときから具体的な研究として、また環境支配説という持論ともあわせて授業にも還元しながら研究を重ねてきた。特に在任中筑波山国立水郷公園の環境の美しさに惹かれて、私財をなげうって購入したのが千坪の土地を手に入れたことによって様々な具体的実験が可能になった。その一部がこのNIIHARI PROJECTである。ここでいう解放とは人間からの解放である。基本的に私が生きたい環境というのは先ず地表から出来るだけはなれることを目指している。今の試算ではひとりの人間の地球離脱は20mから30mと考えている。敷地の周辺に300坪の土地を3年前に確保し、実験が始まった。子供っぽいと言われるが正に80代にして5歳の感性を呼び戻している。誰でも抱く秘密基地!今5歳とすると30年かかったとしても35歳の男ざかり、やっと今その緒に就いたところである。その一端を皆様とともに楽しんでみたいと思っている。
篠田守男
篠田守男研究室代表
中風 明世 なかかぜ あきよ
1960 岐阜市生まれ
1982 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
主な個展
2005-2014 第6回-第21回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2005 第7回中風明世展[北ビワコホテルグラツィエ・滋賀県長浜]
2009 第12回中風明世展『イナテックギャラリー・愛知県幡豆郡』
2011 第16回中風明世展[極小美術館・岐阜池田]
2013・2016 第18回、第22回中風明世展[ギャラリーあさひ・愛知県尾張旭市]
2016 第23回中風明世展[岐阜市歴史博物館分館 加藤栄三・東一記念美術館]
2018 第24回中風明世展[極小美術館・岐阜池田]
2018 第25回中風明世展[ギャルリhu:名古屋市東区]
主なグループ展
1998 CAF展[埼玉県現代美術館]
2000 岐阜市芸術文化奨励賞受賞・岐阜市・岐阜市教育文化振興事業団
2000 CAF展[埼玉県現代美術館]
2002 文化庁主催・第36回現代美術選抜展[北海道釧路芸術館]
2004 美濃町屋回廊[美濃町主催]
2010 ベスパ・プリマベーラと作家たち[極小美術館]
2012 象の檻展[極小美術館・岐阜池田]
2015 篠田守男 中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2016 宇宙の連環として[極小美術館・岐阜池田](美術館企画)
コレクション
岐阜市立女子短期大学、リゾラ・ディ・エム、アンティークジュエリー・クレセンテ、ひぐちクリニック、三河湾リゾートリンクス、アートスペース羅針盤、極小美術館
1990年から急速に進み始めた世界のグローバル(平均)化は、豊かであった日本が緩やか(今のところ)に、または急激に下降することであり、美術家は、まるで炭鉱のカナリアのように最前線で揺さぶられ続け、とてつもない夢を信じる翼をぼくから奪ったとしても、日々は続く。だから、自分を鼓舞したり、慰めたり、悲しめたり、怒ってみた作品を作った。皆様の在りようと、どこか、同期できましたら、幸いです。
中風明世 |