私達は、どこに住んでも表現活動をします。自己の生きざまですから、しかし今、
住んでいる福島では、花鳥風月的な表現活動をしようとは誰一人おりません。自己の
存在を少しでも心に響く表現をしたいからです。表面づらでなく内面に眼を向けて行
きたいからです。震災後5年も過ぎても人が住んでいない、住めない地区、街が数多
く存在しています。原発地区、放射能の汚染地区です。人間が安易な心で受け入れた
結果です。自然の力は計りきれません。人間の力を簡単に超えてしまう。自然をよく
見定めないと滅亡します。福島はそれを体得した。忘れられない体験をした。
苦い思い出を記憶にとどめたい。
Remember 3・11 である。
宮本 興一郎 |