一言でいうとシャイな作家である。人間がシャイというのではなく作風がである。これはミニマル・アートの日本版といってもよい。日本の作家に多い内面的吐露ではなくイメージを可能な限り余分なものを削り取って純粋絵画としてキャンバスの中に留めようとする。これが見る側からすると誠に爽やかである。それは作家がこれまで生きてきた諸々を作品のなかに滲ませないとする正に絵画の独立をはかっている。これこそミニマルの本質をいっているといって過言ではないだろう。
それが今年のモダンアート展では、作風は全く変わりはないのだが余分に引かれた線が誠に控えめゆえに男の色気を感じたのである。世阿弥のいうところの「秘すれば花」であろうか。もし彼の作品をミニマルの範疇に入れさせてもらえるのなら所謂西洋のミニマリズムでは解析できない中風独自のアートといえるのではないだろうか。
(彫刻家:篠田守男)
中風明世
略歴
1982 武蔵野美術大学卒業
1996 モダンアート展、[東京都美術館] 〜2012まで
新人賞、奨励賞、会友佳作賞2回 俊英作家賞受賞
2000 第4回中風明世展[画廊光芳堂、ギャラリーなうふ同時開催]
2002 第36回現代美術選抜展 文化庁主催[北海道立釧路芸術館]
2003 第5回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2005 第6回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2005 第7回中風明世展[北びわこホテルGRAZIE・滋賀長浜]
2006 第8回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2007 第9回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2008 第10回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2009 第11回中風明世展[パスワールド・岐阜]
2009 第12回中風明世展[イナテックギャラリー・愛知県幡豆郡]
2009 第13回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2010 第14回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2011 第15回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2011 第16回中風明世展[極小美術館・岐阜池田町] 〜2012
2012 第15回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
2013第17回中風明世展[アートスペース羅針盤・東京京橋]
現在 モダンアート協会会員
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