自分の思いを表現する事にいったいどれほどの価値があるのだろう。
明日が見えない混乱した被災地に足を踏み入れた時、自分のそれまでの価値観が崩れ落ちていく様な気がした。
今までの表現を続けるか否か。
思い悩み時間だけが過ぎていく中で、まがりなりにも表現者の立場をとるのであれば、表現の方法論が変わってでも、この圧倒的な非日常と向き合い「忘れてはならない事」を形にしなければならないのではないのかと考えるようになった。
しかし教訓めいた事もしたくなかった。
誰の為でもなくまず自分の為に、自分が見てきた事や感じた事を反芻する為に、表現や意図という余分な思考を極力省いた上で、ただただ歴史の傍観者として写真には写りきらないそこでの出来事を記録しようと思った。

略　歴
1980　富山県生まれ
2005　多摩美術大学日本画専攻卒業
　　　　八王子正福寺天井画制作
2007　多摩美術大学大学院日本画専攻修了
2008　個展(アートスペース羅針盤)
2008　羅針盤セレクション 日本画小品展」(アートスペース羅針盤)
2009「羅針盤セレクション 様々な日本画」(アートスペース羅針盤)
2010「羅針盤セレクションVOL.2 注目の新人作家6人展」(アートスペース羅針盤)
2010　個展(アートスペース羅針盤)
2012　全国絵画公募展IZUBI 入選