―空虚な心にやすらぎを―
うつ病の男性、40歳代。
几帳面、真面目な性格、家族を背負い頑張り続けた。
嫌とも言えず、追い込まれた暗く険しい表情である。
入院して2日目の夕方、患者は「大声出したい、駄目だよね」
どうしたら良いのかわからない辛さが伝わる。
夜、他の患者さん達がくつろぐためホールに行くのを見計らい、詰め所に来てもらい話をした。
私「辛そうやね」
患者「死にたい、辛いです…」自分に背負った重荷を話しだす。
私「私に、何もできなくてごめんね。でも一つできることがある。ここで怒鳴ってみてよ」
患者「怒鳴ったら保護室へ入れられる」
私「ここは、詰め所だから大丈夫、思い切って叫んでみてよ、側で聞いているから」
患者「…馬鹿やろー馬鹿やろー…」湧き出すように何度も何度も叫び続けた。
私「もっと叫べー」患者の表情は和らいでいた。
私の行動はその場で消えてしまう。
しかし、カンパスに描いたものは消えない。
私の描いた絵で、少しでもその表情を和らげて欲しいと願う。
■画暦
1959 岐阜県生まれ
1993 - 2002
岐阜県美術展(岐阜県美術館)
県展賞(2001)秀作賞3回 佳作1回
1996 モダンアート展 初入選 (東京都美術館)
2000 第18回岐阜現代の美術展 (岐阜県美術館)
2001 モダンアート明日への展望 (2005 2007出展・横浜市民ギャラリー)
2004 個展(アートスペース羅針盤/東京 京橋)
2006 モダンアート岐阜展 (加藤栄三・東一美術館)
2007 グループ展 MAQ `07 (アートスペース羅針盤/東京 京橋)
中部モダンアート展 中部作家賞 (愛知県文化センター)
2008 グループ展`08ビブラート展 (市ヶ谷・山脇ギャラリー/東京千代田区)
モダンアート展 会友佳作賞 (東京都美術館)
モダンアート協会 会員推挙
2009 個展 (アートスペース羅針盤/東京 京橋)
2010 グループ展 ビブラート展 (東京・美術家会館画廊)
■看護師暦
1980 国立療養所岐阜病院付属看護学校卒業 看護師免許取得
総合病院勤務(産婦人科病棟、新生児室、循環器内科病棟)
2001 心療内科.精神科病院勤務(岐阜)
2005 岐阜県日本精神科看護協会論文 優秀賞
日本精神科看護学会長崎大会発表
2009 心療内科.精神科病院(愛知)に転職
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