歌田 眞介 展

2010.11. 8.Mon.〜11.20.Sat.

11:00〜19:00

※最終日17:00まで





歌田 眞介 略歴

1934年生まれ
1959年、東京芸術大学美術学部油画科卒業。61年、東京芸術大学美術学部油画専攻科修了。
同学部絵画科絵画組成研究室副手、同助手、すいどーばた美術学院講師をへて、72年、創形美術学校修復研究室室長に就任。
95年.同修復研究所と改称。所長に就任。
95年、東京芸術大学文化財保存学保存修復(油画)研究室教授。
98年より、同大学美術館館長を兼任。
現在、愛知県立芸術大学美術学部油画専攻客員教授。30年にわたり、幕末、明治の洋画家高橋由一の技法の解明に取り組み、油画作品約40点を科学的に調査してきた。

著作『油画を解剖する 修復から見た日本洋画史』(NHKブックス)



個展開催の弁明   歌田 眞介

年金生活に入ったら少年時代に戻って絵を描いて暮らそうと密かに考えていた。そうだ年金文人になろう。江戸時代の文人たちにはしっかりした経済的背景があったのであろう僕の経済的背景は年金だというわけである。定年後小さな仕事場を作り準備を始めた。久しぶりのこととてまごまごしているうちに数年が過ぎた。四年ばかり前の春だった。東京都現代美術館の作品調査が終わり、近くの『鳥和』で飲んでいた時のことである。
東京芸大の木島隆康さんから、絵は進んでいるのか個展はいつするのだと詰問を受けた。同席していた東京都現代美術館の加藤弘子さん、藤井亜紀さんもそうだそうだという。三四年先なら可能かもしれないとそどろもどろにコ与えると答えると、定年後既に五年経った三四年先では遅い。二年後をめどにするべきだ。会場探しその他我々に任せてほしいと押し切られた。では仰せのとおりにするかと答えると加藤さんがすぐ女子美術大学の北澤憲昭さんに電話した。個展に一文を寄せてくれるという、もうあとに引けない。こんなことでことが動き始めた。その後北澤さんの提案で四十数名の方々が寄稿集を作って下さるという、ありがたいことです。寄稿集に見合う作品ができるか心もとないところもありますが、毎日朝から晩まで絵を描いています。出来はさておき最晩年にこのような充実した時間を過ごせることを期待してなかったのでうれしい限りです。



 


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