百年にわたる上からの近代化によって負へと閉鎖した日本美術。(日夏露彦の『負の現在』から)
まさにその通り。
山口さんは、ビルの大家さんに『時代よ!』と叫んだと言うが、大家さんには何のことか分からないだろうが、この一言の意味は重い。
ここ10年の美術の変遷は、めまぐるしいものがある。
作家の制作状況も決して好転の兆しを見せない。
ならば、どうするか?
すれすれの生活を支える彼らの精神力に敬意を表するか、実質的にハローワークとなるか。
作家にお詫びしながら、首をくくるか,否か。
地面に近いほど、重荷が重いほど、真実に近くなる。
ならば、地に足をつけ、一歩一歩前進するしかないだろう。
今日,夕方には、山口画廊は閉鎖した。
あっけなく幕はおりた。
しかし、残されたものたちは、この険しい道のりを歩いていかねばならないだろう。