改訂テクスト・喪失テクスト
一度ねじったモノをもう一度ねじると、元の位置に戻ってく
るだろうか。おそらくは戻って来ない。
一度目の「ねじれ」は絵画を生活から切り離した。もう一度
、元あった方向へ「ねじり」、
生活の場へと絵画を押し込む。一見、元の形に戻ったように見
えるけれど、
一度目の「ねじれ」で絵画と生活の中にあった連続性は変異し
てしまった。
絵画自体もまた、ねじれて変異してしまった。
ではこの先は、一度目の「ねじれ」の方向へ作品をシフトし
ていくしかないのだろうか。いや、そんなことはない。
系譜の改訂後におこる二度目の「ねじれ」は、二重にねじれた
能動的なリバイバルとして捉えよう。
一度目の「ねじれ」に対しての揺り返し。過去のそれとは微妙
に異なる新たなリバイバルと考えている。
過去との整合性だけではなく、「ねじる」というムーブメン
ト自体にも前向きな意味を見いだしたい。
日々の制作の落としどころとしては、日常的な側面と非日常
的な側面のどちらにもコミットしていけるような
仕組みをもたせることが理想的だと考えている。近しいものを
あげれば、応用美術という言葉が浮かんでくる。
今展示はそういった揺り返しの狭間を提示したいと考えた。
略歴。
四宮 義俊(しのみやよしとし | Shinomiya Yoshitoshi)
1980. 神奈川県生まれ
2008. 東京芸術大学大学院美術研究科後期博士課程美術専攻日本画研究領域修了
学位博士号(美術)取得 博士論文「躯体になるもの」
個展
2007. 6 『躯体とその末尾』旧村川別荘[千葉.我孫子市]
2007. 3 『作用点プロジェクト』取手市.利根町[茨城県.取手市.利根町]
2005. 2 『四宮義俊展』アートスペース羅針盤[東京.京橋]
グループ展・その他
2009.2 『文化庁メディア芸術祭』 国立新美術館 [東京.六本木]
2008.6 『トリエンナーレ豊橋 星野信吾賞展』豊橋市公会堂[愛知県.豊橋]
2008.6 The Contemporary Art of Korea Japan and the U.S.A Difference and Coexistence [ASTO Museum of Art・U.S.A]
2007.12 『東京芸術大学大学院美術研究科博士審査展』 東京芸術大学大学美術館 [東京.上野]
受賞歴
2008.12 文化庁メディア芸術祭・審査委員会推薦作品
2008. 9 第4回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展・審査員推奨
2003. 2 東京芸大卒業修了制作・サロン.ド.プランタン賞、台東区長賞受賞
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