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オ チョン ナム
呉 貞 南 展
2008.2.18.mon.〜2.23.sat.
11:00〜19:00
※最終日17:00まで
1966年 韓国生まれ
2006年 9月 個展(ギャラリー渓)
2007年 3月 2人展(神奈川県民ホール)
グループ展多数 |
本作品の表現形態というのは、私という主観の作用でもなく、作品という対象のみの作用でもないのである。言い換えれば、対象の形態が物理的な構造と私の精神的な思想と実践の過程が相互作用して決定した出会いの結果で形成されたことである。絵画というのは、一体、何だろうと自分に問いかけたところ、絵画は語る内容ではなく、絵画においてのあらゆる構成要素は、画家の理念と実践によって表現するべきであると思ったのである。絵画を眺めながら常に考えるのは、線と色彩は空間的な説明を語りの如く、事実を構成することではなく、絵画的な事実を表現せざるを得ない。そのような理由で、本作品は、外面世界と内面世界のあらゆる現象は線と色彩による表現で説明され、全ての線の動きは叙情かつ劇的な内容に成熟と柔軟性を求める曲線の響きと緊張の動きを呼び起こす直線の響きの関係は対立されながら、もっとも、対非のシンホニーが高まれた画面構成を表現するのである。従って、線と色彩は別々に表現するのでなく、色彩が線で表現され、線は色彩によって強調されることを表現しなければならない。画面に現れるあらゆる線の複雑な関係は、相違なる線の方向によって決定され、線と色彩の関係も画面の動きに従って強調されるのを試し、どの色を選択するより、どのように色を使うかが重要なことには間違いがない。
本作品においては、三つの有形の直線が表現されている。まず、水平線というのは、冷たさ、平らなさを感じさせたものである。従って、面に対しての流れの響きで、動きの機能は何より簡潔なる形態であると考え、この水平線を作品の根元としたのである。次に垂直線というのは暖かい動きの機能から始め、形態の中心を創って行く線となり、面と色彩の調和を高め、線と線の響きを強くさせ、線のシンホニーの中心となったのである。次は、対角線について説明を述べる。同一なる角を持って両方線から離れており、それで両方線は均一に傾かれ、冷たさと暖かさという両面性の動きの可能性が最も明らかに現れるため、本作品では非常に用いられ、画面中での緊張を引き出し、リズムの調和を表し、本作品のあらゆる線の動きにリズムを表現したのである。対角線には、中心的な自由の線と非中心的な線と区分されるが、本作品は概して後者である。何故かというとそれは非中心的かつ気ままな直線は、多彩な色彩の動きを維持しつつ、前へ、向かって進めようとする緊張を展開するからである。固定された動きではなく、動きの音が響くような線のため、非中心的な線と色彩は面に融合されるのみならず、面を貫いて通ることまで表現されたのである。
従って直線は平面を完全に否定する反面、曲線は平面の核心を自ら盛り込むこととなる。本作品の曲線は、奥から作用する力によって、外の力を凌いでおり、それゆえに一つの面で有りながら、一つの線にもなれるのである。これからの研究においてはあらゆる線と色彩の関係に対しては、より一層考察して画面中の緊張と対立的な調和を成し遂げる為に、線と線の繋がり、線と面の関係、線と色彩との響きについては色彩の特徴を考察し、線の深淵が美しく表現される研究領域を目標とする。
従って線から始まった研究は絵画の要素の一つ一つに没頭させ、単なる表現に止まらず絵画における概念に対しての思想を一層、高めたのである。それで、画家の見えない視線を引き上げる為には絶えず、研究を実践に専念しつつ、文献資料及び素材の技法に励み、絵画における概念を徹底に分析していくことこそが私の生きて行く精神であると思い、理論と実践に何度も研究したこの一年間は、私にとって誠に充実した時期であった。 |
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