2008 画廊企画
松永 かの 木版画 展
『耳が知ること』
2008.1.10.thu.〜1.19.sat.
11:00〜19:00
※最終日17:00まで
略歴
1997年 和光大学芸術学科卒業
以後毎年個展(福原画廊、楓画廊、ガレリア・グラフィカbisなど)
2001年文化庁優秀作品買上候補。
同年より浜文子、村上春樹などの文芸書を中心に装画、挿画を手がける。 |
昨年、アートスペース羅針盤にて展示された『かたわらのかたわれ』という作品がある。この作品は、北方の海から取材した『そらはうみのもの』との連作である。暗い現象の海の中で、現象の概念を獲得しようとして、直線的思考が動く時、かのさんのイメージは、二次元的な旋回運動を超克する。単に旋回するのみならず、また、渦巻きの嵐に入って、旋回しつつ高く飛び上がってゆく。
現在、彼女のゆかりの地、北海道の道立近代美術館で、〜大地に実る人とアート〜という企画展が開催中であるが、まさに今、この『かたわらのかたわれ』という作品が展示されている。今回の新作も超越的な思索の純粋な自由のイメージから生まれたものだ。私は、かのさんの作品に魅かれ、初期からの作品をコレクションしている。木を彫るというシンプルな仕事ながら、墨の濃淡の繊細さに、詩的なイメージが広がっている。私のふるさとは南国、鹿児島なのだが、雄大な自然を感じさせる彼女の作品から、南に向かう光源を見ることができる。
アートスペース羅針盤
岡崎こゆ |
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