2005 画廊企画
小山利枝子展

2005.1.7.thr.〜1.15.sat.
AM11:00〜PM7:00
※最終日PM5:00まで


「小山利枝子―光の風に誘われて」

 光の風は外側から巻き込むように画面の中心へと向い、彼方へと吹きぬける。その先にはすべてを内包する永遠の宇宙、神秘が拡がっている。私たちは風に乗ってその拡がりへと誘われる。風のうねりは生命の律動感そのもの、そして馥郁たる花の芳香を運ぶ。自然界には直線は存在しないとガウディが言ったように、小山利枝子さんの作品は美しい曲線であふれている。実はこの曲線、一輪のストックの花から得られたもので、彼女は常に現実の花の観察から出発する。デッサンを重ね、美しい曲線、生命のうねり、律動感を抽出し、そこに夕間暮れの赤や黄に染まった空の光が添えられる。
 彼女の作品は、心地よく私の魂を揺さぶる。単に曲線や色彩が美しいからではなく、作品中のフォルムが天空で生じては形を変えて行く、彩雲のごとき生命の展開をも感じさせるからだ。以前の個展がそうだったように、小山利枝子さんの作品で囲まれた空間は生命の律動で美しく震え、私たちは清爽な風に包まれるに相違ない。

(中村隆夫=多摩美術大学教授)


小山 利枝子 プロフィール

1955 長野県篠ノ井山布施に生まれる。
1979 東京芸術大学美術学部絵画科卒業
1980 東京、長野、静岡、京都等で個展開催
1994 VOKA 展に出品
1996 長野県信州いいづな高原美術館に小山利枝子絵画館開催
1997 東京山種美術館賞展に出品
2001 安田火災美術財団選抜奨励展出品
2002 信濃美術展 「彼女達がつくる理由展」出品長野県広報表紙、浅田次郎、高樹のぶ子などの本装丁多
2003 個展(アートスペース羅針盤)
2004 アートスペース羅針盤で発表した作品が平成15年文化庁優秀作品買上となる。

 


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