「そんなことでどうする。震災ごときで画廊を開けられないくらいなら、画廊なんかやめてしまえ」と怒鳴られた。
なぜなのだろう。
お客さんやら、批評家にまで、数人だが批判を浴びた。
というのは、震災でキャンセルが相次いだ訳だが、事情は果たして人により,微妙に違うのだ。
心配症の私は、美術評論家に相談はせずに、すぐに弁護士に相談に行った。
私の弁護士はいつも口癖のように、「何も未だ起こってませんね。何か事が起こったら相談に来てください」と言う。
さらに「あなたに必要なのは、安心する事です」と。
この頃は、「雑談でもいいですよ。いつでも来てください。」と歓迎されるようになった。
これは,歓迎なのか,そうでないのかは不明だが、なんでもかんでも、相談に行くようになってしまったが、弁護士さんにお任せするのが一番安心なのである。
私には、法律という武器がないから,闘えないが、弁護士にはあるので、少々お金がかかっても面倒なことは弁護士に依頼するというのが一番だと思う。
相手にとっても、公平な判断である事の方が,感情的にならずにすむだろうから、いい方法と思う。
私のとった震災後の行動を弁護士は、「なかなかいい判断でしたね。正しい判断と行動だと思いますよ。」と云われたので、その日は、ほっとして夜はぐっすり眠れた。
さて、いろいろと云われても、私には弁護士がついているし、黒こしょうせんべいと鎌倉のおいしいクッキーがついていたのだ。
震災時に画廊で待機してもらった方たちが、先週,お見えになり、お礼にとせんべいをおもちくださった。
「楽しいひとときでいい思い出が出来ました」とせんべい。
「初めて逢ったばかりの私にお腹すいてませんか?カップラーメンたべます?もう,電車はもう動いてませんよ。ここにいてゆっくりしていってくださいね」と声をかけたらしい。
そして、私は,夜,皆を点呼してたらしいのである。よく見てるなあ.覚えてない。。。。
自分の事ではなく,人のために動いてる私を観察し、私のホスピタリティに感動しました,とまで言われ、こちらがびっくりした。
こんな人もいるんだなあ、お礼に来てくれるなんて。。。とこちらが感動したくらいだ。。。。
私としては普通の事だし,当り前の事だし,それにお礼にまで来てくれるなんて,恐縮です。
だから、だから、批判を浴びても何でも、真心で生きていけばいいんです、頑張れ、と自分に言い聞かせている。