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線遠近法

渡辺真木彦の展覧会を開催中だ。
展示が始まる前に下見に来るお客様がいる。
空に浮かぶ雲が真正面から描かれている絵や新宿のビルもジオラマのように描かれており、この独特な遠近法が見る人の目に違和感があるらしい。
現場監督さんや建設業を営む方には、この遠近法はおかしいという訳だが、作家さんの狙いはそこにある。
「線遠近法がなっとらん」とのご指摘だが、あっけらかんとした空には、大きな固まりのような雲がたくさんところ狭しと並んでいる。
雲というより氷山のようだという人もいる。
雲の上の空を描いたのは、砂漠にすむ女流作家だったが、空に浮かぶ雲は、一つ一つの表情が豊かで、なんと、楽しげなことか。


 


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