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カロンズネットから

すばらしいレビューをカロンズネットの小金沢さんが書いてくれた。

カロンズネット執筆:小金沢智 2010年1月11日更新

今、アートスペース羅針盤が大変なことになっている。個展を開催しているのは画家の西川芳孝。日本画出身の西川が試みたのは、会場の壁面全てを水墨画で覆うインスタレーションだ。同様の試みは一昨年の同所での個展でも行っているが、ポートフォリオを見るかぎりそのスケールは格段に増している。展示壁面はもちろんのこと、事務所のドアまで作品に覆われているのだから。

作品には、作家によると宇宙のイメージである地の上に、大きな鳥が数羽描かれている。タイトルは《鳥》(墨・墨汁・胡粉・膠・新鳥の子紙、2009-2010)。宇宙とは作家の話を聞くまで考え及ばなかったが、夥しい数描かれている球体はエネルギーの塊のごとく、ケモノの眼球のようでもあり、荒々しい筆致が迫力に拍車をかける。重苦しくもあるが、そのため白い線のみで描かれている鳥の軽やかさが引き立つ。大きなものに包まれている心地がし、優しさも感じる大作だ。

 


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