成瀬遼展は、思いもかけず、作品がよく売れて、本当にびっくりした。
まだ、24歳で毎日絵を描いて生活している。
独学とはいえ、週刊新潮の表紙絵の成瀬政博さんのご子息であるから、門前の小僧でもあるだろう。
8年前に成瀬政博さんとエプソンの展覧会で知り合い、当時高校生だった遼君の個展を頼まれた。
病いを抱えながらの個展であったので、夕方は夜ごはんを食べさせ、宿舎までおくり届けるのが日課であった。
障害児の学校の先生をやっていたせいか、事細かに指導する癖が治らない。
遼君は、すでにれっきとした大人で、いつまでも子供扱いをする私には閉口している。
以下、ギャラリー椿の椿原さんがブログの話題にしていただいた。
同感である。
ご多忙中、お越しいただき、感謝申し上げます。
●7月3日
お客様に薦められて近くの画廊の個展を見に行く。
まだ20代の作家で、17歳のときに個展をして以来2回目の個展だそうだ。
驚いたことに、殆どの作品に赤マークが付いている。
若い作家にしてはかなり高い価格なのだが、この時節にこれだけ売れているのはすごい。
路線価が大幅に下落したとか、失業率が増加したとか、景気のいい話が少ないだけに、ご同業が売れているのは心強い。
私のところも幸い大作がすべて売約となり、こうした時期に買っていただけるのは本当に有難く、多分その画廊さんも同じ思いでいるに違いない。
以前に書いたかもしれないが、昔勤めた画廊の社長に、空襲の最中でも絵は売れたとの話を聞いたことがある。
それほど極端ではないが、美術愛好家にとっては、好きな作品を手に入れるにはご飯一膳減らしてもという気持ちなのかもしれない。
そうした人たちに支えられて、40年を超えてここまで仕事を続けることが出来たことに改めて感謝である。