「君こそ、アラフォーだね」といわれた。
アラウンド40(アラフォー)とは40歳前後の世代のこと。
確かに、80年代に青春を送り、10代の終わりに男女雇用機会均等法が施行され、就職活動はバブルの頂点、就職したら「新人類」、頑張って働いてきたが、結婚してないせいか、「負け犬」と呼ばれた。多様なライフスタイルと価値観を持ちながらも、あまりに選択肢が多い分、迷い多き人生だったと思う。
今だって良く迷うし、悩むし、不安に駆られる。
昔の男友達に愚痴ると、「君らしくない!」といわれるので,ますます、一人ゴチテ、つんのめってしまう。
竹村芳樹の描いた棺桶の作品を見て、「いつかこういう日が来るね、楽しまなきゃ」と云われた。
楽しく生きる秘訣は、『覚悟をすること、自分をこんなもんだと思わないこと、笑うこと』だそうだ。
生きると云うことにおいて、お手本にしたいというような作家の竹村さんは、先月のはじめに漢字検定一級に合格。
体験記としての雑文もよせていた。
小説家としても、才能があり,以前「痔物語」という闘病記をまとめて話題をさらったことがある。
とてもユーモアに満ちており、抱腹絶倒とまではいかないまでも、入院も悪くないし、画家としての
ものの見方や知性がそこかしこにちりばめられて、教養小説としても面白く読めるのがいい。
今週いらした彫刻家がこう話してくれた。
一本の樹からいくつかの枝がのびていく。それらは、一つの木から枝分かれしたものだから、表現は違っても同じものだと。
竹村氏の表現は、彫刻、版画、タブロー、文筆と限りなく多彩でありながら、それは、一つの木から伸びたもの。どれもが成熟し、素晴らしい花が開き、実となっている。
羨ましい人生と思う。
これからもますますのご発展を願うばかりである。
日々、努力を惜しまない氏の姿に励まされるのであった。