南谷 富貴展
2022年3月7日 - 2022年3月12日

南谷 富貴
私の住む街は1960年代に建てられた住宅街だ。ある日愛犬と散歩中、ふと見知らぬ新しい建物に目が留まった。以前ここには何が在ったのか、見慣れたはずの近所の風景なのに全く思い出せない。主を失い朽ち果てた家屋が解体される様を幾度も目にする。大きな音と砂埃を上げて壊されていく。人の育った歳月を経た家屋の有機体がほんの数日で廃材と化し、やがて無機質な建物に取って代わる。以前の風景とは一変し、最初は違和感を覚えるものの、数日でその違和感は日常の一部として取り込まれ、ありし日の人と生活の営みの象徴は記憶から消えていく。
以前より一貫してランドスケープをテーマとし、モノの形や輪郭線を排除した色と光のイメージを連鎖する木片の集合体に落とし込む制作をしている。それは高度成長期に幼年期を過ごした私の心情風景でもあり、過ぎ去りし時間と現在を繋ぎとめる交点である。時の軌跡が今もなお私の心を捉えて離さない。
略歴
岐阜市生まれ |
岐阜県立加納高校美術科卒業 |
名古屋芸術大学美術学部絵画科卒業 |
名古屋芸術大学美術学部絵画科研究生修了 |
個展
1997 | FUKI NANYA SOLO EXHIBITION / ギャラリーキャプション(岐阜) |
2003 | 企画展 アートと出会う/ アート&ヘアー チッタ(各務原) |
2003 | FUKI NANYA SOLO EXHIBITION /ガレリアフィナルテ(名古屋) |
2018 | FUKI NANYA SOLO EXHIBITION /極少美術館(池田) |
2020 | FUKI NANYA SOLO EXHIBITION~記憶の残滓~ /ギャラリーノイボイ(名古屋) |
2020 | Factory展 Tetsukagu with art /杉山製作所(関) |
2021 | FUKI NANYA SOLO EXHIBITION~空の景~ /オー・エ・セル(岐阜) |
グループ展
1991 | 二人展 /織部亭(一宮) |
1992 | ~素材のもつ意味と限界~ /紗絽紋(一宮) |
1993 | ~素材のもつ意味と限界~ /ハートフィールドギャラリー(名古屋) |
1996 | 陽だまり工房街角ギャラリー /岐阜市文化センター(岐阜) |
1997 | HYOTANのぞき展 /ギャラリーキャプション(岐阜) |
1997 | フィールドミュージアム /古今伝授の里(郡上) |
2016 | 企画展~未だ見ぬ世界へ~ /織部亭(一宮) |
2017 | 企画展 現代美術の新世界展2017 /極少美術館(池田) |
2017 | みのかもアニュアル-on location- /美濃加茂文化の森(美濃加茂) |
2017 | ともに、つくる、つたえる、かなえる展~LIFE~ /清流プラザ(岐阜) |
2018 | 企画展~いとしき肖像~ /織部亭(一宮) |
2018 | みのかもアニュアル 焦+ー /美濃加茂文化の森(美濃加茂) |
2019 | 企画展 なうふ坂アートフェア /なうふ現代(岐阜) |
2019 | 企画展 現代美術の視点2019 /極少美術館(池田) |
2019 | 企画展 時空のサンクチュアリ展 /歴史民族館国登録有形文化財 旧林邸(一宮) |
2020 | 企画展 なうふ坂アートフェア /なうふ現代(岐阜) |
2020 | 織部亭35周年記念 わたしの一点 /織部亭(一宮) |
2021 | tomori アウトリーチ展 風の景 /じゅうろくてつめいギャラリー(岐阜) |
2021 | 企画展 なうふ坂アートフェア /なうふ現代(岐阜) |
2021 | 企画展 現代芸術の作法2021 /極少美術館(池田) |
2021 | 篠田守男と極少美術館の作家たち /羅針盤(東京) |
2022 | 企画展 なうふアートフェア /なうふ現代(岐阜) |