ー銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに(アイヌ神謡)ー

上野真由 MAYU UENO

2009.9. 7.Mon.〜9.12.Sat.

11:00〜19:00

※最終日17:00まで





上野 真由 略歴

2000   東京芸術大学油画専攻卒業
2002   東京芸術大学大学院油画技法材料専攻修了
2006   文化庁新進芸術家海外留学制度により
      ベトナム・ハノイ国立美術大学漆絵クラスに留学

2000  個展              アートスペース羅針盤・東京
2001  個展 ― 物語から生れた絵 ―   アートスペース羅針盤・東京
2002  ― 七人の庭 ―          アートスペース羅針盤・東京
2003  KOREA - JAPAN ART MEETING FAIR      韓国・仁川
2004  個展 ― 始原の血 ―       アートスペース羅針盤・東京
2005  ふなばし現代美術交流展             千葉・船橋
個展 ― ある日、若者は亀を助けました。 ― アートスペース羅針盤・東京
2007  The exhibition of three female painters  ベトナム・ハノイ
2008  Asia Art Link               ベトナム・ハノイ
     個展 ― 絵画の始原 ―     アートスペース羅針盤・東京


どちらが先なのだろうか。
ラスコーにある、たくさんの鹿の頭が描かれた
洞窟壁画と、鹿にまつわる物語と。
彼らは鹿のことを反芻しながら
鹿を描いたに違いない。

洞窟の染みから鹿の頭を創造した最古の人たちの頭の中には、鹿の物語があったのだろうと私は考えました。
絵画の始原についての思考を、古い神話のことばの中からヒントを見つけ出し、私にとって最も適した表現方法である「色」を使って表しています。今回の展示では、アイヌ神謡をモチーフにしています。
私は西洋からもたらされた油絵具と、東洋で9000年前から使われている漆を併用しています。油絵具と漆は性質がとてもよく似ていて、ある本には、陶磁器が中国から西洋に伝わったのと同じように、東洋の漆が西洋の油絵具のルーツではないかと書かれています。東洋人の私にとって、漆は油絵具以上に私の求める「色」を表現できる素材なのではないかと感じています。特に漆の黒い色を、神々が存在する場所に在る、闇の色として使っています。絵画の始原と宗教の始原とは、とても近い気がしているのです。
そして、絵画が、インスタレーション、写真、映像、パフォーマンス、その他に代えることのできない性質のものであると感じています。私は絵画とは油性の接着剤と顔料から生み出される「色」だと思うのです。






 


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