「胎内回帰願望が強い」と言われ、ひどく納得した憶えがあります。
　画中に描かれる寝床やそれを取り巻く情景は、安寧の場としての母胎に対する憧憬であり、同時にそれとは裏腹の、常に何かしらの脅威にさらされ、呑み込まれている（ような気がする）現実世界における私たちの状況でもあるようです。
それぞれの作品から紡ぎ出されるイメージや物語が、最終的に、生きることを少しだけ活気づけるものであってほしい、と願っています。

作者にとって今回が初個展となります。
油彩、ドローイング約15点を出品する予定です。
よろしくお願いします。

狩野宏明　略歴

1983年　山形県生まれ
2002年　二紀展（以後毎年、’05奨励賞、’07優賞）
2003年　上野の森美術館大賞展（’04）
2004年　フィレンツェ賞展（’05、’06、’07）
2005年　筑波大学芸術専門学群卒業
　　　　 卒業制作（芸術賞、作品買上）
　　　　 筑波大学大学院博士課程入学
　　　　 芸大・茨大・筑大卒業制作選抜展／東海ステーションギャラリー
2006年　トーキョーワンダーシード2006／トーキョーワンダーサイト
　　　　 第1回うしくビエンナーレ／茨城県牛久市
2007年　第12回ふるさとの風景展（大賞、’08招待出品、作品寄贈）／喜多方市美術館
　　　　 第18回富嶽ビエンナーレ／静岡県立美術館
　　　　 トーキョーワンダーウォール2007／東京都現代美術館
　　　　 第16回佐藤財団奨学生美術展／佐藤美術館
2008年　Field of Now 影響×創造！展／銀座、洋協アートホール
4月現在 筑波大学大学院博士後期課程２年次在籍