高橋優介展

2021年3月8日 - 2021年3月13日

ご挨拶

この度は高橋優介の個展「溢-itsu-」をアートスペース羅針盤にて開催する運びとなりました。

まずは、この様な時節であり、残念ながら良い社会状況と言えないこの時期に、ご来場いただいた皆様、そして、発表の場を提供していただくにあたりご尽力していただいた方々に感謝申し上げます。

 さて、溢とはいくつかの意味を持つ字でございますが、本展示ではあふれるの様な意味で用いております。私の作品には水や水っ気のある要素が数多く登場することと、それが自然とあふれんばかりだということを字義が表してくれます。そして、本展示のメインの大作2点がどちらも時間経過や場面転換の要素を含んでおり、音読みの「いつ」という音が、時を問う「何時」の音に通じることからもこのタイトルを選びました。

 私は日本というのかアジアというのか、そういった古典美術に関心を持っておりました。かつてはその心のままに制作し、掛け軸を作る機会などに参加させていただいたりしておりました。ところが、この一年で社会は一変しました。価値観の変化を痛烈に感じた私は気づくと、今に生きているから作れる作品を作ることに努めようと思うようになっておりました。この度の展示はそうした、いままでの関心といま芽生えた心持ちとがなんとか混ざり合おうとした作品群が並んでおります。これらの作品をご高覧いただけたら幸いに存じます。

 結びに改めまして、来場してくださった皆様、ご尽力いただいた方々、作品制作の上で様々な形でご協力、ご指導いただいた方々に感謝申し上げます。

高橋 優介

略歴

2017 年佐藤太清公募美術展 入選
2019年多摩美術大学卒業 卒業制作優秀作品選抜
佐藤文化育英財団奨学生
「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」 国立新美術館
「日本画卒業有志展」 銀座第七ビルギャラリー
「6人の日本画研究発表会」 ギャラリー数寄和
2020年多摩美術大学大学院 最優秀学生奨学金選抜
「奨学生美術展」 佐藤美術館
「未来展」 日動画廊
「掛け軸と絵画の未来展」 田中八重洲画廊 
2021年多摩美術大学大学院修了 日本画専攻修了
多摩美術大学卒制展 アートテーク選抜
「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」 国立新美術館
「個展 溢-itsu-」/ギャラリー羅針盤
「molt」   ギャラリー羅針盤
2022年「光陰悠々」 アンペルギャラリー
グループ展「セレクション展」 ギャラリー羅針盤