高橋優介展
2023年7月3日 - 2023年7月15日
※7月9日日曜日は休廊
この度、高橋優介個展「ユメノマ」を開催する運びとなりました。
天候の落ち着かない日々ではありますが、ご来場いただいた皆様、
また、開催にあったてご助力賜った皆様にお礼申し上げます。
かねてより時間経過にまつわる作品を製作しておりました。
その主役は水や空といった自然でありまして、変化していくさまを大作に描いておりましたが、ふとした時に、この観察の対象が人間、突き詰めればわたし自身に向くことがございました。
人間のつまりは、自分の時間経過ですから、自己の人生を逆算するような考え方になりますでしょうか。現在の日本で暮らしていればこうした想像や思索は普通な事かとも思います。わたしにとってこの時間経過は想像や期待しているよりも遥かにみじかいものなります。だからといって悲観的になるようなものでもなく、むしろエネルギーに満ちているように感じています。
この死生観とも人生観とも捉えられそうで、全く捉えきることのできない自身の時間経過、そのエネルギーを表現しようとしたのが本展覧会の「ユメノマ」という作品になります。
なお、「ユメノマ」という言葉は「葉隠」にある「夢之間」から拝借しております。
人生のみじかさや儚さをたとえて用いられた言葉の一つだそうです。
特にこの言葉を選んだ理由は、長そうでみじかい時間経過の印象があることはもちろんですが、「葉隠」の中で、人生はみじかいのだから好きなことをした方がいい、というような内容が残っていることに惹かれたためになります。
別段上述のような製作の事情をお気に止めずとも、たとえ変哲なものを眺めるようにでも、ご高覧いただければ、幸いに存じております。
結びに改めまして、ご来場いただいた皆様、ご尽力いただいた皆様、作品制作の上で様々な形でご協力、ご指導いただいた方々に感謝申し上げます。
高橋 優介
略歴
2017 年 | 佐藤太清公募美術展 入選 |
2019年 | 多摩美術大学卒業 卒業制作優秀作品選抜 佐藤文化育英財団奨学生 「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」 国立新美術館 「日本画卒業有志展」 銀座第七ビルギャラリー 「6人の日本画研究発表会」 ギャラリー数寄和 |
2020年 | 多摩美術大学大学院 最優秀学生奨学金選抜 「奨学生美術展」 佐藤美術館 「未来展」 日動画廊 「掛け軸と絵画の未来展」 田中八重洲画廊 |
2021年 | 多摩美術大学大学院修了 日本画専攻修了 多摩美術大学卒制展 アートテーク選抜 「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」 国立新美術館 「個展 溢-itsu-」/ギャラリー羅針盤 「molt」 ギャラリー羅針盤 |
2022年 | 「光陰悠々」 アンペルギャラリー グループ展「セレクション展」 ギャラリー羅針盤 |