画廊企画
門 倉 直 子 展
Crazy , in secret.

−私たちの密かなクレイジー−

2006.3.13.mon.〜3.18.sat.
11:00〜19:00
※最終日17:00まで


密かなクレイジーはいつもそこに。
それは、あなたと私をつなぐ最後の絆です。
平静を装いながら放つ、彼らのSOSをキャッチしました。
Crazy, in secret.
それは心地よい瞬間です。



門倉直子   絵空人

何気ない少女たちの仕草や表情、きわめて日常的な一瞬のスケッチ、と思われるそれら絵画のモデルたちは実際には存在しない。仔細に観察してみれば、確かに誇張された非現実的な顔や肢体が描かれている。写真ではなく絵だからこそ可能な絵空事、現代的な少女のイメージから、ある少女らしさを抽象した具象表現、とでも言えるかもしれない。

しかし、なぜモデルなしに人物を描こうとするのか。ルネサンス期の絵画であれば、マリアを描く際にモデルを必要としたに違いない。厳密な写生が作品にリアリティをもたらすからだ。結論的に言えば、リアリティを追求するのとは全く別の方向、つまり少女らしさというヴァーチャルなイメージを追及しているからだろう。

それでも彼女の作品にある種のリアリティが感じられるのであれば、イメージそのものが絵となるぐらい明瞭で強固なものだからに違いない。日本語の「絵」の語源が「一切の物の形を得てわが物とすることからエという」(本朝辞源)のであるとすれば、日記にふと浮かんだ詩を書き付けるように、ある光景のしぐさ、ワンシーンの表情が形として浮かび、絵とするのは極自然なことなのかもしれない。あらゆる物事がヴァーチャルに体験可能な時代にあって、いまだに絵画という手仕事の世界が健在な理由もそこにあるようだ。

広本伸幸


門倉 直子 略歴 1977 千葉県に生まれる
2000 文化フォーラム104柏市美術展 大賞
2001 文化学院芸術専門学校卒業
2003 文化フォーラム104柏市美術展 大賞
2003 エプソンカラーイメージングコンテスト 佳作
2004 プリンツ21グランプリ 入選

個展
1999 7月 初個展「N局」(銀座 巷房)
2000 6月 個展(京橋 アートスペース羅針盤/02,03,05年も)
2001 3月 個展(品川 ざくろ坂ギャラリー一穂堂)
2004 7月 個展―face=sarface?今日の絵画に見る顔―
        (水戸 ギャラリーSAZA)
2006 3月 個展−Crazy ,in secret −(京橋 アートスペース羅針盤)

グループ展
2002 8月 ふなばし現代美術国際交流展02「出会い−誕生」
        (船橋市 市民ギャラリー)
2003 3月 ピエゾ博士の展覧会 (京橋 アートスペース羅針盤/04,05も)
2004 8月 「コレクターの視点」(自由が丘 もみの木画廊、他)
2004 11月 山中湖の新しい風 (山中湖美術館)

other
2003 9月 作品集ロリポップキャンディ出版


 


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