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荒川由貴展のレビューから

会場風景。

展覧会タイトルは、−華麗なる勝負師の物語II−。

勝負事で絵画(アート)のモチーフとしてお馴染みなのは、
相撲(力士)や競馬、闘牛あたりでしょうか。
ですから、将棋棋士・囲碁棋士の世界をテーマに据えた日本画は、
異色の存在といえます。

作家は公開対局で、
至近距離で繰り広げられる真剣勝負を目の当たりにして、
強い感銘を受けたそうです。

派手な動きは一切ないものの、
会場を支配する空気の重さと緊張感のなか、
刻一刻と千変万化する状況に合わせて、
棋士が無意識にとる仕草や表情に、
鍛えられた人間同士の真剣勝負のすさまじさを、
感じ取ったのでしょう。

作家は聞こえないうめきを聴き取り、
折れそうな心、逸る心を汲み取り、
棋士たちが発する、鋭く強い波動を、
画面に持ち込もうとしている。
そんな印象でした。

 


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