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自分の声で歌おうよ。

ピカソの色使いはひどい。
ターナーの人物画はどうしようもない。
ソール・スタインバーグのスケッチ技術は最低だ。
エリオットは日銭を稼げなければ暮らせなかった。
ボブ・ジュランは、歌を歌えなければ、ギターも弾けない。それでも彼らはやめなかった。

これは、アメリカで大人気の名刺漫画家の「オリジナルワンな生き方」という本からの引用だ。
『人は、表現されたカタチに感動するのではなく、その先にある人間性、その人の声、そのものに感動する。』と語るヒュー・マクラウドの言葉はとてもいい。
何事ものめり込んでみなければわからない。
芸術は魔物だが、芸術にのめり込んだ人間にしか分からないものは確かにある。
のめり込んでいると、やがて、絵を見ただけで、作家の声を聴き分けるのだ。
そうなると、しめたものだ。
喜びと感動とときめきが一度に訪れ、至福感に満たされる時が来る。
たった絵を見るという習慣だけでだ。
だから、コレクター同士は、不思議な感覚でとりとめのない言葉でも会話が成立してしまう。


 


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