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2009.7. 6.Mon

ギャラリー椿さんの日記から。

成瀬遼展は、思いもかけず、作品がよく売れて、本当にびっくりした。
まだ、24歳で毎日絵を描いて生活している。
独学とはいえ、週刊新潮の表紙絵の成瀬政博さんのご子息であるから、門前の小僧でもあるだろう。
8年前に成瀬政博さんとエプソンの展覧会で知り合い、当時高校生だった遼君の個展を頼まれた。
病いを抱えながらの個展であったので、夕方は夜ごはんを食べさせ、宿舎までおくり届けるのが日課であった。
障害児の学校の先生をやっていたせいか、事細かに指導する癖が治らない。
遼君は、すでにれっきとした大人で、いつまでも子供扱いをする私には閉口している。
以下、ギャラリー椿の椿原さんがブログの話題にしていただいた。
同感である。
ご多忙中、お越しいただき、感謝申し上げます。
●7月3日

お客様に薦められて近くの画廊の個展を見に行く。
まだ20代の作家で、17歳のときに個展をして以来2回目の個展だそうだ。
驚いたことに、殆どの作品に赤マークが付いている。
若い作家にしてはかなり高い価格なのだが、この時節にこれだけ売れているのはすごい。
路線価が大幅に下落したとか、失業率が増加したとか、景気のいい話が少ないだけに、ご同業が売れているのは心強い。
私のところも幸い大作がすべて売約となり、こうした時期に買っていただけるのは本当に有難く、多分その画廊さんも同じ思いでいるに違いない。
以前に書いたかもしれないが、昔勤めた画廊の社長に、空襲の最中でも絵は売れたとの話を聞いたことがある。
それほど極端ではないが、美術愛好家にとっては、好きな作品を手に入れるにはご飯一膳減らしてもという気持ちなのかもしれない。
そうした人たちに支えられて、40年を超えてここまで仕事を続けることが出来たことに改めて感謝である。

2009.7. 6.Mon

夜遊びダイエット

遼君が、やめてくれと云うにもかかわらず、断食を開始。
いつの間にか、6キロも太ったため、去年のワンピースが入らない。
困った。
さらに、コレステロールが高いと指摘されたので、これはもうダイエットしかないと決意。
それで、夜遊びしながら、やせる方式をあみだした。
時間さえあれば、いつまでも寝ている。
だから、太るのだが、涼しくなった夜に銀座を散歩するのは楽しい。
ついでに、買い物もするし,少々のお酒も飲むし、これらの夜遊びは、ストレス解消というわけだ。
一週間でもう2キロ痩せ、順調に痩せている。
今日も朝から何も食べてないので、キリンのお店でタマネギのサラダとさざえの塩焼きを注文。
ワインを一杯飲んで、ほろ酔い加減で、新橋のカジマバーに向かった。
途中、ドイツの歯磨き用品の専門店で歯ブラシと歯磨き粉とガムを買う。このお店はフランクフルトの直営店だそうだが、とてもおもしろい。
2時間くらい歩き、やっとカジマバーで、またワインを注文。
ミネラルも必要と薄く切った黒パンも勧められて食べてみたが、これも香ばしく焼きたてで美味しい。
カジマバーでは、来年、個展を予定している浅野紋子展を開催中だが、とてもいい。
もん子ワールドを見ながら、お酒を飲むのは最高だ。
心地よいバーのカウンターから見る心象風景は、記憶の誘いだ。
カジマさんは、日曜日にはいないそうだが、かわりにアルバイトの面白い作家の子がいる。
楽しいひとときを過ごし,また徒歩で歩いて自宅まで帰った。
すでに11時を回っていた。

2009.7.20.Mon

ゴーギャン

昨日の夜、友人の雀荘屋のママから「めっちゃ暇なの。遊んでー」というので、ゴーギャン展に誘った。
『我々はどこから来たのか  我々は何者か 我々はどこへ行くのか』という問いかけは深い。
初期の頃は,ピサロに学んだらしい印象派の風景画なのだが、タヒチに行ってからは画風ががらっと変わっている。
版画も多く展示されているが、とてもセンスが良くて、かっこいい作品なので、ときめいた。
見終わると,心持ち高揚している。
お決まりのコースだが、近代美術館のレストランのクイーンアリスでお食事。
ローズマリー風味のチキンと白魚のサラダがとてもおいしい。
ああ,なんて幸せと至福の時。
そう,私にとって、良い絵画を鑑賞すること、そして、おいしいお料理とお酒があれば、世界はバラ色に輝いている。
だからこそ,画廊なんていう仕事をやっているのだが、好きなだけでは成功しないのが実業界の悲しい
常識だ。
雀荘屋のママも云っているが、「雀荘以外のことで、めんどくさい雑用があるのよねえ」と言っているが、画廊経営の私にも同じことが云える。
日頃,電車に乗り馴れてない二人は,何度も反対方向の電車に乗り間違え,やっとこさで銀座に辿り着いた。
知り合いのやっている樽というバーで、上田正樹のライブがあるので,のぞいてみた。
あまり、乗り気でない私は、とうとうライブ中、爆睡していたらしく、友人の膝付きで何度か起こされた。
お店を出る時のふてぶてしい私の態度に友人は呆れていたが、いつものことだ。

2009.7.22.Wed

吉岡順一展

今週は,羅針盤おすすめのレギュラー作家、吉岡順一の展覧会だ。
多摩美術大学の大学院を卒業するやいなや、臥龍桜でグランプリ、田中一村の第一回のコンクールでもグランプリ、さらに創画会の展賞を受賞し、文化庁インターシップに選ばれるなど、華々しい受賞歴だ。
初個展は,佐藤美術館である。
その後,羅針盤で個展をすることになるのだが、圧倒的な作業量で見るものを惹き付ける。テクニックはもちろんだが、溢れるばかりのエネルギーがあり、枯渇することがないのがすごいと思う。
今年は、創画会で奨励賞も受賞しており、今まさにその作品を展示中だ。
みなさん、すばらしいので、ぜひ、見に来てください。
ちなみに私は大きなゾウさんの後ろ姿の絵がとても気に入っています。身体で感じる、肌の感覚で感じる
スケールの大きさが魅力なんです。
いつまでも若くて、年をまったくとらない作家さんには驚かされています。

2009.7.25.Sat

風通しの良い画廊

ニュ―ジーランドにすむ編集者の友人がブログをやっていた。
とてもおもしろい。
楽しそうだなあ。
文章がうまい。
児童書の編集者なので当たり前だが、こういう親しみやすく、癖のない文章って、そうそう書けるものじゃないんだよ。
と、ここまできて、昔、大好きだった植草甚一の口調になってきた。
恥ずかしいけれど、こんなふうに私を見ていてくれたなんて、ありがたいじゃないですか?
励まされるなあ。

風通しの良い画廊
東京の京橋で画廊を営むOさんのブログを久しぶりに拝見した。東京の出版社で働いていたときに、画廊を始めて2−3年目くらいのOさんと知りあった。Oさんは前職が編集者だった。そのせいもあって、はじめてお会いしたときから話が合い、もう長いこと知りあいだったかのような、親しみやすい空気をまとったひとだった。私もいつしか仕事の合間に足繁く通うようになった。

Oさんの画廊はいつも明るく、風通しがよかった。作家さんたちもユニークなひとが多かった。そこでひとを紹介していただいたり、紹介したり。ひとが集い、作品に出会い、そこから新しい繋がりが生まれる場だった。Oさんは親しみやすいひとだけど、そこは東京の一等地で画廊を切り盛りするギャラリスト。ひとと作品を見る目は鋭く、厳しく、力のある作家さんを抱えては、彼らを現代美術界の第一線に送り出して来た。

そんなOさんの画廊もそのキャリアも今年で10年になる。
「画廊は10年目を迎え、やっと人と人とが繋がって、低空飛行ながら、軌跡を描いて今がある。」
Oさんがブログに綴った言葉。ひとつのことを10年続けるというのは生半可なことではできない。ましてや相手は「表現者たち」。誰もがもてる手腕でないことは容易に想像できる。飾らない言葉の裏に、10年の重みを感じた。彼女の画廊の名は『羅針盤』という。作家さんたちの進むべき道を示す場にしていければいい。いつだったか由来をそう教えてくれた。

懐かしさのあまりメールを出したらすぐに返事をいただいた。
おなじみの作家さんたちの近況も綴られて、最後に「羅針盤ファミリーは健在よ」で結ばれていた。嬉しい一言。当時駆け出しの編集者で毎日が必死だった私の拠り所だった羅針盤。
Oさんと作家さんたちの航海はまだまだ続く。時折その船に立ち寄る私はさしずめ渡り鳥か?
Oさんの真摯にひとに向き合う姿。おこがましいことだけど、私は密かにOさんを目標として、その軌跡を追いかけつづける。

 


   

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