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2008.11. 3.Mon

学園祭

昨日は風邪気味で本当はゆっくり静養したかったが、そうはいかない。
昼に新宿高島屋で、池崎義男と中野嘉之のコラボレーション展があるので、書家の姫と待ち合わせ。
姫は、私の尊敬してやまない書家、拓本家であり、人間としても尊敬出来る素晴らしい師なのである。
姫との出会いは、書道室。
文化祭の催しに、国宝級のお宝が山のように展示されているので、のぞいたところ、ここで姫に出会い、話が弾んだ。
数年前に毎日書道展でグランプリ。
藤の木を裂いた筆のようなもので、えいてつの太鼓にインスパイアされて書いた近代詩文書は,本当に素晴らしかった。これこそ,前衛。
小さな身体でパワフルに飛びまわっていらっしゃるが、今年で高校教師も退職の年とのこと。
高島屋の展示で紙と墨の話が、いつまでもつきないが、ここのところはあきらめて、多摩美術大学の学園祭に向かった。
バス停から、やっと着いたが裏門。
歩けども歩けども、辿りつけず、夕暮れが迫ってきた。
私の通った大学とはかなり様子が違っているので、面食らった。
山の遥か彼方まで校舎があるのであった。
私の行っていた大学には、農場があったが、ここに比べると小さいものだなと思った。
やっとこさで辿り着いたが、油画の展示を見るのでいっぱい。
今度行くときは、早朝に出発しなければと思った。


2008.11. 7.Fri

お便り

先日、日本画の小品展で作品を買っていた方からこんな話を聞いた。
先月、中国から封書が届いたので、何の請求書だろうとおそるおそる封書をあけると、羅針盤の日本画家からのお礼状だったそうだ。
それが筆文字であったという。しかも、大変丁寧な文章で、しかも筆で美しい文字がしたためていたらしく、今のお若い人にしては、なんと立派な若者だと関心したというのだ。
「来年の1月に個展があるんですよ」と申し伝えると、「立派なもんだねえ。感心したよ。中国から、お礼状だよ。うれしかったねえ。作品だって買いたくなるよ。それが心意気ってもんだろうが」といたく感心されていた。
今日、10周年記念のお祝いをしてもらった日本画作家さんから、メールをいただいたが、なんとも美しい文章で、国語教師だった、昔の教材研究の癖が出て、サンプリングしてしまった。

こんにちは。・・・・です。
先日はこちらこそありがとうございました。非常に楽しい時間を過ごさせて頂き、また他皆様とも久しぶりで、10周年をご一緒にお祝いできた事に本当に嬉しく思いました。

いつも思うのですが、本当に岡崎さんは先見の明がお有りになるし、
メンバーのお人柄を見れば、大変素晴らしく、羅針盤の存在が貴重にも感じます。

私も皆さんに負けず画業勤しみたいと思いますし、何れ有名になってこのエピソードを伝えられたら、
なんて考えております。

また、ブログも拝読させて頂きました。
とても心に沁みました。
私は不良でも学級委員でも、どちらも嬉しく思います!
実経験は「図書委員」でしたが(笑)

それでは長くなりましたが、またお目に掛かりたく、今後とも宜しくお願いします。
時節柄、お体ご自愛ください。

2008.11. 7.Fri

サンプリング 2 

以下も嬉しかった、お気に入りの素敵なメールです。
サンプリングしてしまいました。


・・・・・・


羅針盤では、僕の後輩たちがたくさん展覧会をやっています。
日本画の若者たちの間では、まさに「羅針盤」のように
これから画家として羽ばたいていくための大きな「羅針盤」になっています。
羅針盤で個展を開くことが憧れになっているのですね。
僕が大学院を修了したときは、羅針盤のような画廊がなかったので、
今の若者たちがうらやましいです。

・・・・・・・・・・・

てんはにぶつをあたえる、とあるように、なんぶつも与えているような作家さんの文章を取り上げてみましたが、本当に作品も素晴らしいし、容姿も端麗、ファッションもルックスもいけてるし、お人柄もすばらしく、さらに聡明でありながら、さらりと書いた文章まで人の心をつかむとなれば、それはもう
誰もが羨ましさも越えて認めてしまうのではないでしょうか?
生まれながらにスターなのに、彼らに共通するものは、恵まれた境遇にも関わらず、常に謙虚であること、切磋琢磨、努力を惜しまないことのような気がします。


2008.11. 8.Sat

友達

ヒントは,意外な人からもらえることが多い。
日頃は、なるべくジャンルの違う友人とも付き合うことにしている。
それぞれの場で活躍している高校の同級生は、とても刺激になる存在だ。
経営コンサルタントや大手企業の人事課の友人たちからは、経営の方針やヒント、今後のあり方について教わることが多い。
さらに、時折、部下やお世話になった方のお祝いに絵をプレゼントするので、選んで欲しいという依頼まである。
陸上自衛隊の対戦車隊長の友人もユニークな存在だ。
国際線のパイロットもいる。
大学の友人は、みな専門が同じなので、あまり変わった職種にはついてないが,やはり高校時代の友人は、様々なのでおもしろい。
美術関係者はひとりもいない。

2008.11.18.Tue

サンプリング 5

ブログを初めて人の文章が気になるようになった。
素敵なメールや手紙は、サンプリングしたくなる。
しばらく,サンプリングに夢中。

「ブログ読ませていただきました。才気溢れるこゆさんが、今、全力投球されていること、かいま見た思いです。アーチィストたちの才気とこゆさんの才気がショートする場がそこにあること事態,天から与えられた贈り物だと思います。
ところで、私見ですが、大家というのは現に相当の評価を得ている人、巨匠というのは没後百年経とうが、世紀を超えた存在という人と勝手に決めていて、もう巨匠は現れないだろうと思っております。
その理由は、知らぬ間に人間は創造性という機能が退化しているのではないかと思うからです。
 東京から連れていった伝書鳩を北海道で放つと以前と比べて三割も少ないそうです。この超情報化時代に人間の空想、創造力が劣化してもおかしくはありません。ピカソやベートーベンは現れるのでしょうか。最も価値観が急変してアニメのような、あるいは自分たちの想像を超えたなにものかの時代が来るのでしょうか。・・・・・・・続く・・・・・」10月26日

とても勇気をもらいました。
尊敬してやまない方からの手紙です。
一部、抜粋しました。

2008.11.18.Tue

サンプリング 3

こちらの方から、こんなすばらしいメールをもらった。ありがたい。うれしい。
この方のコレクションもすばらしく、また、お客さんとしてもおつきあいの長い方だが、人格者とはこのような方のこと。
こういう人に巡り会えることが、画廊の醍醐味だ。
また、人間として素晴らしい方と巡り逢い、自分も栄養を与えてもらうことで、生きる意欲を掻き立てられるものだ。

羅針盤 岡崎こゆ 様

 改めて十年たってみて、羅針盤の位置づけが後から確定的についてきた、それは地道なコレまでの活動の賜物、今後が本当の意義付け、そう思います。
 やはり、世界というものを考えた場合、まだまだ日本の若者の絵は骨太さが足りない、したたかさが足りない、そういう結果を払拭することを第一の目的に、若者を励まし続けて下さい。
 ギャラリストは、本物を見抜く目をもつために、一番厳しさが求められるかもしれません。
 したたかさを持つ可能性のある作家を発掘、後押しして下さい。

作家の皆さん、私も頑張ります。
精進します。
ついてきてください、ぜひ。

2008.11.18.Tue

サンプリング 4

この頃,ここには書けないことで、ストレスがたまっているせいか、時折、興奮しすぎて、眠れないことがある。
もう、明け方というのに、全然眠くない。で、さらにサンプリングの続きを。。。。。

このメールも嬉しかった。恥ずかしかったり、うれしかったり。
たとえがなんと、なんと、ユーモアに溢れていることか。

独り占めしたかったが、でも、サンプリングさせていただきました。


>でもどうして、こんなにすばらしいお人柄の方ばかりが集まっているのでしょうか?
基本は作品なので、絵で選抜してみたら、お人柄もよかったということでした。(私のメール文)


↑これこそ本当の審美眼です!
作品から人柄を見抜いている証拠でしょう。
私は作品は絵肌から入ってずっと紐解けば、その人のDNAにたどり着くと思います。


これは作者も無意識だったりする可能性がありますので、当然観る側もピックアップできるかは微妙です。
また元来、作者を越えて作品そのものを観るという習慣があるので、往々にして作家は影となり、審美の判定には係らないことが多いかと思います。

しかし、プライマリーのギャラリーで若手も多い羅針盤では、作家の常駐率も高く、必然的に作家と触れ合っていれば、自然と作品から人柄を見抜くことが習慣になっていくのでしょう。
同時に岡崎さんの教員経験も大きく係っているとも思います。
そんな気がします。

ミツバチは自分たちに合った蜜を求めて、好みの花を見つけます。
その花から蜜を持ち帰り、巣で栄養を与えます。

羅針盤は、岡崎さんは、我々にとって素敵な花に思えます。
そのお蔭で作品もアトリエですくすくと育っていることでしょう。


まぁ、酔っ払いミツバチなので、多少お酒につられてもありますが(笑)
(あ、自粛中でしたっけ。すみません)

長くなりましたが、とても素晴らしいなと思ったので、返信はお気遣いなく。

2008.11.26.Wed

衝動買い

今月の22.23.24日と東京美術倶楽部のアートフェアがあり、日本各地から美術好きなコレクターがお見えになり、羅針盤にも足を運んでいただいた。
『衝動買いが大事だねえ』との話を伺ったのは、獣医さん。
名刺をいただいたが、小鳥/猫/犬/エキゾチックとある。
エキゾチックとは,蛇、ワニのことらしい。
昔、成田空港でワニに首をかまれた経験を持つ作家さんを思い出したが、ワニは滅多にこないという。
『僕の犬小屋だよ』と見せていただいたお写真には、すごいコレクションが飾ってある。
しかし、それはまがいもなく犬小屋ではない、立派な別荘だ。
それが1つならず、2つもあるからすごい。
写真に映っている作品は、それと分かる名画で、作者がすぐ分かるものもたくさんある。
最初に買った作品は、フォンタナと言う。
アートフェアでは、土曜日に、めぼしい作品をチェック。
すぐには購入せず、ホテルのプールで泳いで、気持ちをさましながら、もう一泊し、よく考えてから購入するのだと云う。
予算が決まっているから、その範囲内で、あれが良いかこれが良いか考える。
しかし、衝動買いの大切さも知っているから、悩むところらしい。
コレクターのお宝には、すごいものがある。
アートフェアで吟味するコレクターの頭の中には、自分のコレクションに加えても良さそうかどうかの個人的なラインがあるのだろう。
もう一つのラインは、予算との兼ね合いである。
熱気を帯びた数日間であった。

2008.11.26.Wed

赤い服

10月に父の見舞いに帰省した時に、友人が「こゆのおかあさんがあそこにいたよ、ここにいたよ」という。どうして、うちの母と分かったのかなあ?と疑問に思ったら、うちの母はいつも赤い服を着ているから、目立つ。
靴から帽子にいたるまで、全て赤いので、どこからでも、うちの母と知れる。
痴呆症になったわけではない。
前から赤いものが大好きで、全身を赤い衣類で覆うから、12月になると、まるでサンタクロースみたいいだ。
つい近年まで、2〜3ヶ月に一回は、洋服の詰まった大きな段ボールが送られてくる。
白いズボンだけでも、10本以上もあるし、同じ服も結構ある。
驚くなかれ、これが大学生の頃からずっと続いているのだ。
「いつになったら、やめてくれるのかなあ」と思っていたが、なかなか問屋はおろさなかった。
洋服を買うのが大好きなのだ。
娘は、着せ替え人形にしたいほど、かわいいということだからか?
小さい頃、洋裁が得意な母は、自分と私と弟のお揃いの服を作っていたし、大島紬も織っていた。
だから、無駄に高級な大島紬もタンスの肥やしになっている。
溢れるほどの服に囲まれて、自分で好みの服を買うようになったのは最近だ。
毎日、ファッション雑誌を見ては研究している。
母のコレクションは、フクロウ。
幸福を呼ぶらしい。
祖父も焼き物のコレクションをしていたらしいし、祖母の実家もコレクターだ。
ものを集める趣味は遺伝するらしい。


 


   

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